文:北林のぶお 写真:樋口涼 上の写真は大修館書店提供。「遠人村舎」と呼ばれる編さん所の1935年頃の風景 70余年をかけて完結した『大漢和辞典』 漢字文化は東アジア一帯に広がり、3000年以上の歴史を持つとされる。それに比べてヒトの一生は短く、日常的に使う漢字も限られる。平均的な日本人が生涯の間に読み書きする漢字の数は、2千字余りの常用漢字を含めて3千から5千程度もあれば十分なはずだ。だが、未来は常に先人が残してきた遺産の上に築かれてきた。広く深い漢字の海へと乗り出す手段である辞書がもし存在しなかったら、大きな損失といえるだろう。 「親字」となる見出しの漢字は5万1110字、熟語は53万語以上。索引も含めた全15巻は計1万8000ページに及ぶ。通常の漢和辞典は親字が1万字程度、多いものでも2万字余りなので、『大漢和辞典』のスケールの大きさは群を抜いている。「東アジアにおいても、最大級の漢
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く