パナソニックは、次世代太陽電池の本命とされる「ペロブスカイト太陽電池」の耐久性向上に成功した。ペロブスカイト太陽電池は発明から10年足らずで、普及が進むシリコン系と肩を並べるまで変換効率が急上昇している。最大の障壁だった耐久性の課題解決に突破口が見えたことで実用化へのハードルが下がった。 パナソニック先端研究本部新機能材料研究部の松井太佑主任技師が、スイス連邦工科大学ローザンヌ校との共同研究でペロブスカイト太陽電池の耐久性を高めた。85度Cの環境で500時間連続して発電させる試験を行い、光を電気に変える変換効率は初期効率に対して95%を維持した。通常の使用環境に置き換えると「2―3年に相当する」(松井太佑主任技師)という。 ペロブスカイトは特殊な結晶構造の名称。桐蔭横浜大学の宮坂力教授が、太陽電池として作動することを発見した“日本発”の技術だ。宮坂教授が2009年に作製したペロブスカイト太