コロナ禍で、ニューヨークを離れる人が増えている。危機感を強めた州知事は、ニューヨークに戻ってきてほしいと呼びかけた。「戻ってきたら一緒に食事に行こう、1杯ごちそうする。私が料理してもいい」。 世界の金融の中心地、そして最先端の文化や芸術を発信する都市として、世界から人々が集まってきたニューヨークで、いま何が起きているのか、取材した。 (アメリカ総局記者 及川利文) ニューヨークのクイーンズで暮らすクリストフさん(39)とティファニーさん(30)夫妻。共働きで、クリストフさんはIT系の会社に勤め、ティファニーさんは金融関係の仕事をしている。憧れだったニューヨークで暮らし始めて5年になるが、今、隣のニュージャージー州に移り住もうとしている。 2人が転居を考え始めたのは半年以上前。日本円にして9000万円余りの予算を用意し、家を探しているが、今もほしい家を見つけられていないという。その理由を聞く