整理回収機構(東京)が在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)に約910億円の債務返済などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は2日、請求通り全額の支払いを命じ、判決の確定前でも強制執行できる仮執行宣言をつけた。総連側は提訴された後、一度も出廷しなかった。 機構は経営破綻(はたん)した在日朝鮮人系金融機関「朝銀信用組合」から不良債権を引き継ぎ、2005年に「実質的には朝鮮総連への融資だった」として、総連に約630億円の支払いを求めて提訴。07年に全額の返済を命じる判決が確定した。だが、訴状によると、約570億円が未払いのままで、時効が完成するのを防ぐため、利息分を含めた支払いを求めて今年6月に再び提訴していた。民法は、裁判で確定した権利の時効を10年としている。 判決後、機構は「厳正な債権回収に努めて参ります」とコメント。朝鮮総連中央本部広報室は「お話しすることはございません」としている。(後藤遼太)