この論考では,ある錯綜した発言を取り上げ,それがいかに秩序だったものであるかを示していきたい.そのなかで,この発言の秩序が相互行為的な秩序であることを明らかにしよう.そのために,順番構成的な完結性と表現形式的な完結性という分析道具と用意する.一方,進行中の発言がいまだ順番構成的にも表現形式的にも完結していない場所が,相互行為のための重要な焦点となりうることを明らかにしていこう.かの発言の錯綜は,このような場所における,可能な相互行為的な問題への対処の結果として,記述可能である.最後に,表現形式的完結性の相互行為的な意味についても触れていく.