「正直にやったらやったと言え」。拘置所に面会に来た父は、自分よりも警察を信じていた。隣にいる母は黙っている。長い断絶がまもなく始まった--。 「週刊文春」3月26日号で、森友事件で自殺に追い込まれた財務省職員の遺書をスクープした相澤冬樹氏。その相澤氏が、NHK在職時より長年にわたって取材してきたのが「東住吉冤罪事件」だ。 小学6年生の娘を保険金目当てで焼き殺したとして、大阪市東住吉区の青木惠子さんが内縁の夫とともに逮捕されたのは1995年。それから20年、メディアで「鬼母」と呼ばれた彼女は、2015年に刑務所を出所、翌16年には無罪が確定した。 しかし、かわいい盛りだった8歳の息子は見知らぬ大人の男に。元気一杯だった両親は80歳を過ぎて介護が必要に。そして自分は、30代から50代になっていた。 「まるでタイムスリップしたよう」と語る彼女の人生を通して「冤罪」の真実に迫る、「週刊文春WOMA
「正直にやったらやったと言え」。拘置所に面会に来た父は、自分よりも警察を信じていた。隣にいる母は黙っている。長い断絶がまもなく始まった--。 「週刊文春」3月26日号で、森友事件で自殺に追い込まれた財務省職員の遺書をスクープした相澤冬樹氏。その相澤氏が、NHK在職時より長年にわたって取材してきたのが「東住吉冤罪事件」だ。 小学6年生の娘を保険金目当てで焼き殺したとして、大阪市東住吉区の青木惠子さんが内縁の夫とともに逮捕されたのは1995年。それから20年、メディアで「鬼母」と呼ばれた彼女は、2015年に刑務所を出所、翌16年には無罪が確定した。 しかし、かわいい盛りだった8歳の息子は見知らぬ大人の男に。元気一杯だった両親は80歳を過ぎて介護が必要に。そして自分は、30代から50代になっていた。 「まるでタイムスリップしたよう」と語る彼女の人生を通して「冤罪」の真実に迫る、「週刊文春WOMA
「東住吉冤罪事件」の背景にあるめぐみさん(当時11)への性的虐待。「女性の権利を守る発信基地」をうたう弁護士事務所の乗井弥生弁護士は、なぜ虐待を働いていたBさんの弁護を引き受けたのか。その理由を尋ねると、警察への怒りを語った。 最新話の公開に合わせ、記事を再公開する(初出:2019年8月19日)。 ◆ ◆ ◆ 捜査の最初のボタンの掛け違えは、火事の原因がわからないことだったのだろうと、乗井弁護士は推測する。そこに保険金の請求があった。母親の青木さんが受取人。でも青木さんは状況から火をつけられない。だから2人が共謀し、Bさんが火をつけたんだろう、となる。だが保険金と言っても以前から入っていた学資保険だった。火事でいろんなものを失くしてお金もない人が、保険金を請求しても何もおかしくはないと、乗井弁護士は指摘する。 「警察は2人の共謀による犯行というストーリーを無理矢理作ったとしか思えません。調
◆ ◆ ◆ 性的虐待をなぜどこも報じないのか? 私がこの事件に出会ったのは3年前の8月。青木さん(55=現在)の再審無罪判決が出た日だった。大阪で司法担当になったばかりの私は、判決文を見て驚いた。内縁の夫だったBさんによるめぐみさんへの性的虐待のことが記されていたからだ。しかもそれがもとでウソの自白を迫られている。冤罪の決定的要因とも言えるこの性的虐待のことを、NHKも含めどこのマスコミもほとんど報じていない。なぜなのか? 全文は発売中の『週刊文春WOMAN 2019夏号』に掲載中 私はBさんの無罪判決後の会見で、彼がこの問題にどう触れるのかに注目した。ところが一言も触れない。そして会見に参加している記者も誰も聞こうとしない。 さらに後日、国賠訴訟を起こした記者会見で、青木さんは提訴の理由について、「娘への性的虐待を使って自白させた。その警察の汚いやり方が許せない」と述べた。私はその言葉を
『週刊文春WOMAN Vol.2』より 家族4人で幸せに暮らしていた自宅が火事になり、最愛の娘(当時11歳)を亡くしてしまった。悲しみも癒えぬうちに刑事がやってきて、「お前が家に火を付けて娘を殺したんや」と決めつけられた。「保険金目当てに鬼のような母親や」と言われ、無実を訴えても信じてもらえず、そのまま20年も獄中に囚われることになった──。 それが青木さんの身に実際に起きたこと。やり直しの裁判で無罪になり、20年ぶりに塀の外に戻ることができたが、失われた時は戻らない。かわいい盛りだった8歳の息子は見知らぬ大人の男に。元気一杯だった両親は80歳を過ぎて介護が必要に。そして自分は、30代から50代になっていた。まるでタイムスリップしたようだ。長年塀の中に閉ざされて、ネットもスマホも、ガラケーだってわからない。世の中になじめず、他人の目が気になり、時々ふっと「刑務所に戻りたい……」とすら思って
国(検察)も大阪府(警察)も一度も過ちを認めないし謝罪もしない。だから「実は有罪なんでしょ」とひどい噂が飛び交う。私は裁判を起こした。自分の人生を賭けて——。1年ぶりの再開で送る連載第5弾!(初回を読む) ◆ ◆ ◆ 「今も私を犯人だと思いますか?」。無実の罪で20年獄中にいた女性に、元刑事はきっぱり答えた。「思います」。 青木惠子さん(57)は1995年、大阪市東住吉区の自宅が火事になり、小学6年生だった娘のめぐみさんを亡くした。それを警察は、保険金目当てに同居中の男性(内縁の夫)と火をつけ娘を殺害したとして逮捕。青木さんは裁判で無期懲役の刑となったが、獄中で無実を訴え続けた。そして弁護団が粘り強い調査と実験で「火事は自然発火。放火ではない」という新証拠を見つけ出し、2016年、裁判のやり直し=再審で無罪を勝ち取った。世に知られる東住吉えん罪事件だ。 ところが国と警察はいまだに反省も謝罪
ロシア軍の戦車が放棄されていたと伝えるツイートより(https://twitter.com/Osinttechnical/status/1502287487552606209) ウクライナの国家汚職防衛局が、「ロシア軍から奪った戦車や装甲車について、所得として申告する必要はない」と発信して、話題になった。「Interfax-Ukraine」が報じた。 Interfax-Ukraineの記事(現在は閲覧不能)によると、「どのように申告したらいいか心配でしょうか。安心して祖国を守り続けてください。コストがかかるので申告する必要はありません」と同局が呼びかけているという。 さすがに日本で民間人が侵攻してきた国の戦車や装甲車を奪うことは考えにくいが、もし購入するなど通常の手段以外で、戦車や装甲車を手に入れることがあった場合、申告する必要はあるのだろうか。冨田建税理士に聞いた。 ●本来、価値のあるも
Richard Caplan, Measuring Peace: Principles, Practices, and Politics
ヤクブ・グリギエル、A・ウェス・ミッチェル著(奥山真司監訳、川村幸城訳)『不穏なフロンティアの大戦略 ――辺境をめぐる攻防と地政学的考察』
篠﨑 正郎 著『引き留められた帝国 ――戦後イギリス対外政策におけるヨーロッパ域外関与、一九六八~八二年』
P・W・シンガー、エマーソン・T・ブルッキング 著(小林 由香利 訳)『「いいね!」戦争 ――兵器化するソーシャルメディア』
Ronald F. INGLEHART, Cultural Evolution: People's Motivations are Changing, and Reshaping the World
Gat Azar, The Causes of War and the Spread of Peace: But Will War Rebound?
キエフ近郊のイルピンでロシア軍車両への攻撃に使われたNLAWを手にするウクライナ兵(12日) Photographer: Sergei Supinsky/Getty Images ロシアによるウクライナ侵攻は3週目に入り、過酷な市街戦となる見通しが一段と強まっている。こうした中、ウクライナに各国から大量に送られた対戦車ミサイルが戦争の流れを変える可能性がある。 一部の軍事アナリストは、過去数週間でウクライナに送り込まれた最新式対戦車ミサイルの量は驚異的であり、近代の主要戦争では前例のない規模をウクライナ軍が手にした可能性があると指摘する。 英国は次世代軽対戦車(NLAW)ミサイル3615基をウクライナに送ったと発表。ドイツは1000基、ノルウェーは2000基、スウェーデンは5000基の対戦車兵器をそれぞれ供与する。米国は数量こそ公表していないが、携行式対戦車ミサイル「ジャベリン」をウクライ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く