「ブラジルの政治は、何が何だかよく分からない」。五輪取材に日本から特派された記者の多くは、そう首をかしげる。そこで現在のブラジルの状況を、ムリヤリに東京五輪時、4年後の日本に置き換えてみた。これは全て架空であり、どれほど今のブラジルが大変な状況かを理解してもらうための、単なる「たとえ話」だ▼アベノミクス好況の真っただ中、東京五輪の誘致を決めた自民党政権(PTの代わり)は、福祉やバラマキ政策を駆使して貧困層から絶大な支持を集め、選挙では連戦連勝だった。ところが五輪本番2年前、東京地検特捜部により、東京電力(ペトロブラスの代わり)の発電施設や原子力発電所建設に絡んだ空前規模の汚職疑惑が発覚した▼日本最大手のゼネコン(あくまでたとえ話だが)清水建設、竹中工務店、鹿島建設レベルの建設会社が談合クラブを作って、政治家本人や与党に総工費の1~5%を仲介料としてキックバックしていた図式が、特捜部によって