「「事実」はいかに書かれるべきか」http://d.hatena.ne.jp/Portunus/20111215/p1 久田恵のルポルタージュ本『ニッポン貧困最前線』を巡って曰く、 ケースワーカーという、戦後の生活保護行政の現場を支えて来たひとたちを主人公に据えたルポルタージュ。 大層面白い本ではある。その理由のひとつとして、小説形式の採用が挙げられるだろう。ケースワーカーを主人公に据えた三人称形式で、ケースワークの現場や事件の再現を行っている。取材者である久田恵はプロローグと第四部の終盤、それとあとがきにしか登場しない。著者は作中では一貫して黒子として、取材対象の発言を元に構成した小説の語り手として姿を隠している。 また、 (前略)ここでの小説という形式は、読み手に行政官の立場を自己同一化させる為だけに利用されている。そしてそれはある一定の効果をあげているし、成功もしていると思う。ニッポ