[写真]1月11日に当選後初めて行われたトランプ大統領の会見では、一部メディアに対して「フェイクニュースだ」と言い放ち、質問させない場面もあった(ロイター/アフロ) 今あなたが目にしているニュースは「事実」なのでしょうか。ドナルド・トランプ氏が当選した米大統領選や英国の欧州連合(EU)離脱の国民投票といったニュース報道をきっかけに使用頻度が増したと言われるのが、「ポスト・トゥルース(post-truth)」という言葉です。ジャーナリズムや民主主義の危機という文脈で語られることの多いこの現象ですが、メディア論が専門の慶応義塾大学の大石裕(ゆたか)教授は「古くて新しい」問題だと指摘します。一方で、決定的に変質してしまった部分もあるといいます。大石氏に寄稿してもらいました。 【写真】“嘘のニュース”が世論をつくる? 米大統領選で注目集めた「脱真実」 「マス=大衆」と「脱真実」 2016年を象徴す