クラブ経歴だけだと、宇佐美への評価はしぼんでいるかのように見える。それでも今季は覚醒の気配を漂わせているのだ。 この夏、宇佐美貴史はドイツ2部のフォルトナ・デュッセルドルフに移籍した。 19歳、初めての移籍先はブンデスの盟主バイエルン・ミュンヘンだった。その移籍劇は華やかだったものの、実質的には全く出場機会を得られず、ホッフェンハイムへ移籍。だが苦戦するチームを助けることさえままならず、本人の表現によると「居場所がなくなり」、ガンバ大阪復帰で一度立て直さざるを得なくなった。 そして昨年、ドイツでの再チャレンジの舞台にアウクスブルクを選んだが、出場機会は多くなかった。そして今季、移籍期限ギリギリでのデュッセルドルフへの加入を発表した。2部上位を目指すチームへの移籍は現状の宇佐美にとって身の丈にあった、地に足のついた移籍のように思えた。 10月のある日、練習を終えファンへのサインや撮影に応じて
宇佐美貴史はG大阪に復帰してJ1昇格、三冠制覇を達成したが、2015年の後半からは調子を落としている。ドイツでブレイクできるか。 ハイリスク、ハイリターンの船出となる。 それが宇佐美貴史のアウクスブルクへの移籍である。すでにメディカルチェックを済ませ、契約も正式に交わすまでに至っている。 かつて細貝萌も所属したアウクスブルクは、2011-12シーズンにはじめて1部に昇格すると、着実に力をつけてきた。一度も2部に降格せず、昨シーズンはクラブ史上はじめてヨーロッパリーグ(EL)に出場した(グループリーグを突破したELとリーグ戦の両立に苦しみ、昨シーズンは残留争いにも巻き込まれたが)。 しかし、クラブを初めてELに導いたバインツィアル監督が、昨シーズン終了後にシャルケに引き抜かれてしまった。 代わりにやってきたのが、シュスター監督だ。彼の手腕に目を向けると、宇佐美がこれから直面する状況のヒントを
輝く光が鈍くなっている。 宇佐美貴史の現状は、そんな感じだろうか。 春は圧巻の活躍だった。4月には5試合7ゴールという量産ペースで月間MVPにも輝いた。しかし、9月26日にリーグ戦の柏戦でゴールを挙げて以来、すっかり快音が聞こえなくなってしまった。日本代表でスタメン出場したイラン戦も、ゴールを上げることができなかった。 10月4日、リーグ戦の川崎戦では打ち合う展開になりながらゴールできず、長谷川健太監督から「まだまだお子ちゃまだな」と厳しい評価を受けた。ACLの広州恒大戦の準決勝セカンドレグ(ホーム)では満を持して後半から出場したがゴールを奪えず、チームは決勝進出を断たれた。1stステージは13得点を挙げたが、2ndステージは2試合を残してまだわずか6得点に終わっているのだ。 昨年のちょうど今頃、体重が増えるなどコンディションを崩して1カ月以上ゴールを挙げられない時期があった。しかし今は、
起きたミスと、起こらなかったミス。どちらが、より重いミスなのだろうか? 13日に行われた国際親善試合のイラン戦。1-1で迎えた後半13分、日本代表に均衡を破る絶好のチャンスが訪れた。 イランのコーナーキックを酒井高徳がヘディングでクリアし、清武弘嗣がこぼれ球を拾ったところから、カウンターが始まった。清武はドリブルでタメを作ると、右サイド側へ流れていく宇佐美貴史へ、対角にパス。すると、このボールに対する3人目の動きとして、武藤嘉紀が中央をグーンと駆け抜けた。 清武のパスに対し、宇佐美はファーストタッチで一気に裏へ抜け出すフリをして、急ブレーキ。その場に止まり、足下にボールを呼び込む。この細かいフェイントでイランDFを飛び込ませず、間合いを作った宇佐美は、裏へ走り抜けた武藤へワンタッチでスルーパスを送り出した。 …巧い! 清武のタメと対角パス。宇佐美のフェイントとスルーパス。武藤の爆発的なフリ
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く