相撲の土俵を別にすれば、一般に痩せた人の多い日本では、肥満は特に差し迫った問題ではない。 このため、武田薬品工業が先日、お腹周りの大きい人が多い欧米が主要市場となる抗肥満薬を開発するために米国のバイオテクノロジー企業アミリン・ファーマスーティカルズと提携したことは、日本の医薬業界にとって象徴的な出来事だった。 自国市場の展望が先細りする中で、日本の製薬会社はより大きな利益を求めて世界中を探し回る以外、ほとんど選択肢がないのである。 国内市場先細り、海外市場に出るしかない製薬大手 先の提携で、武田はアミリンが開発中の抗肥満薬を押さえるために、7500万ドルという控えめな一時金を払う。同社は今後、アムリンの薬が薬局の棚に並ぶまでに、試験と開発にもっと多額のカネをつぎ込むことになるはずだ。 これは武田――日本の医薬品業界で唯一、「グローバルな有力企業」と呼べそうな会社――にとって初の海外企業との