思春期、私たちは他人に興味がありすぎた アニメ映画、『聲の形』を観た。原作も読んでいたけれど、映画版のほうが物語として解りやすく、より大きく心を揺さぶられる作品だったように思う。 この作品は、聴覚障害やいじめといった際どいテーマを扱った作品だが、それを主題としたいわゆる「社会派作品」ではない。これらテーマを通じ、思春期の若者特有の繊細なコミュニケーションを、最良の側面から最悪の側面まであらゆる角度から描写した「青春群像劇」だ。 この作品を観て私が思い出したのは、思春期の時代、私を含めた周りの誰もが持っていた、「他人への強すぎる興味と執着心」。そしてそれが引き起こす、コミュニケーションの面倒臭さだ。 この年頃の少年少女たちは、皆、他人に興味がありすぎる。クラスメイトの何気ない一挙手一投足にすら過剰な意味を見出しては面白がり、他人からの自分への視線に過剰な不安を掻き立てられる。 クラスの中で自