735 症 例 報 告 経肛門的にウオッカを注入し発症した化学性(アルコール性)直腸結腸炎の 1 例 東京女子医科大学救急医学 1) ,大分医師会立アルメイダ病院救急科 2) 武田宗和 1) ,名取恵子 1) ,諸井隆一 1) ,原田知幸 1) ,矢口有乃 1) ,稲垣伸洋 2) 要旨: 【症例】37 歳飲酒歴のない女性。意識障害で発見され救急搬送,既往は躁鬱病と境界型人格障害。来院時 ショック状態で下血を認め,緊急下部内視鏡検査で直腸から左側結腸まで全周性・連続性の発赤とびらんを認め た。翌日,薄めたウオッカ約 1L(推定アルコール濃度 49%)を自ら注腸したことが判明,虚血性腸炎に準じ保 存的治療を選択。8 病日の内視鏡検査では直腸から S 状結腸までは粘膜の修復が認められ保存的治療を継続した。 4 週間後,下行結腸の高度な腸管狭窄を合併したため,本人との話し合いの結果,横行結腸に人工