衣食住にまつわる固定観念をあきらめることこそ、「将来に対する漠然とした不安」に対抗できる唯一の手段なのではないか。ワクサカソウヘイによるおおよそ“真っ当”ではない生活クエストの記録。 「不安」という名の怪物 私はアダムとイヴに怒っている。 ご存じのとおり、アダムとイヴは楽園で禁断の果実をかじった。それにより「恥」を知ってしまい、裸を隠すようになった。神の怒りに触れたふたりはそして、苦しみ溢れる地上へと追放され、そこで生きることを余儀なくされた。 ああ、なにしてくれてるんだ。 つまりいま、私たちが服を着たり、三度三度の食事をとったり、風雨をしのぐために屋根のあるところで眠ったりしなければならないのは、すべてアダムとイヴが禁断の果実を口にしてしまったからなのである。 おい、アダムとイヴ、どう責任をとるつもりだ。お前たちのせいで、こっちは1LDKの部屋に住むために月々8万円とか払わなきゃいけなく