架空の顧客像。詳細に設定した顧客のプロフィールを担当者間で共有し、人物像への理解を深めることでマーケティング方針を統一する手法。 仮面や登場人物を意味する「ペルソナ」は、もともと製品デザインやソフトウエア開発の現場では、どんな顧客がどう利用するのか想像力を喚起するための架空の顧客像を指していました。 これに対して販促活動などを手掛けるマーケティング担当者の間では、顧客を特定の人物像に絞り込むことはせず、ある属性の集団として捉えるのが通例でした。しかし最近ではマーケティング分野でペルソナが新しい方法論として導入されつつあります。 ペルソナを作成する意義をデザイナーや開発者以外にも広く知らしめたのは『コンピューターは、むずかしすぎて使えない!』(アラン・クーパー著、翔泳社)でしょう。同書は「機能を多くしてたくさんのユーザーに対応できるようにするより、たった1人のためにデザインしたほうが成功する