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ブックマーク / honz.jp (12)

  • 『失われゆく日本 黒船時代の技法で撮る』縄文時代から受け継がれてきた知恵にこそ、現代の問題を解決するヒントがある - HONZ

    『失われゆく日 黒船時代の技法で撮る』縄文時代から受け継がれてきた知恵にこそ、現代の問題を解決するヒントがある エバレット・ケネディ・ブラウン氏は、現代では極めて稀な湿板光画を使ったフォトジャーナリストである。湿板光画とはガラスに感光溶剤を塗布した板で写真を撮影する技法で、1850年代から普及し、乾板写真が発明される1870年代までの短い期間使われていた。日にも、江戸幕末期の安政年間(1854-1860年)の初めに輸入され、墨絵のような表現力で味のある世界を数多く映し出してきた。 エバレット氏は現在、京都近郊で滋賀県の月心寺に居を構えながら、1860年代に作られた古いカメラとレンズを使って、自身が「タイムマシン」と呼ぶこの湿板光画の技法で時を超えた日の記録に取り組んでいる。 生まれはアメリカのワシントンD.C.で、若い頃に世界中を旅して回り、29歳の時に日移住し、一時はEPA通信

    『失われゆく日本 黒船時代の技法で撮る』縄文時代から受け継がれてきた知恵にこそ、現代の問題を解決するヒントがある - HONZ
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    photospo 2018/09/24
  • 『死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相』ロシア史上最悪の遭難怪死事件に挑む - HONZ

    一般に、は読めば読むほど物知りになれると思われがちだが、実際は逆だ。読めば読むほど、世の中はこんなにも知らないことであふれているのかと思い知らされる。その繰り返しが読書だ。 「ディアトロフ峠事件」をぼくはまったく知らなかった。これは冷戦下のソヴィエトで起きた未解決事件である。 1959年1月23日、ウラル工科大学の学生とOBら9名のグループが、ウラル山脈北部の山に登るため、エカテリンブルク(ソ連時代はスヴェルドロフスク)を出発した。 男性7名、女性2名からなるグループは、全員が長距離スキーや登山の経験者で、トレッキング第二級の資格を持っていた。彼らは当時のソ連でトレッカーの最高資格となる第三級を獲得するために、困難なルートを選んでいた。資格認定の条件は過酷なものだったが、第三級を得られれば「スポーツ・マスター」として人を指導することができる。彼らはこの資格がどうしても欲しかったのだ。 事

    『死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》の真相』ロシア史上最悪の遭難怪死事件に挑む - HONZ
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    photospo 2018/09/07
  • 悶絶かわいい! 『子どもの着物大全』 - HONZ

    かわいくてたまらん出版賞受賞決定! と勝手に叫びたくなる「かわいい」のオンパレード。七五三のあの初々しさ、節句の飾りの華やかさ、と日の子どもの可愛らしさが凝縮されている、昔ながらの子ども着物。年中行事や年齢に応じた装い、文様、結び方など「日子ども衣服史」にもなっている。B5判に写真等400点が満載で、「やっぱりかわいい」と後で読み返して頷くこと必至だ。今よりよほどおしゃれかも。眼福なり。 「年中行事や成長に合わせた着物、文様、帯結びから被布、羽織袴、背守りなどの知識までを紹介した決定版」となぜかタイトルにこんな一文が含まれるほどの内容だ。制作サイドも熱いのだ。 子どもが誕生してから13歳に成長するぐらいまでの間、行事ごとに子どもがどんな着物を着ているか、その際の風習や着る方法まで細かくまとめてある。とにかくその詳細が、見て、読んで、楽しい。 例えば、最近来ている男の子をよく見かける「甚

    悶絶かわいい! 『子どもの着物大全』 - HONZ
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    photospo 2018/08/14
  • 『すごい廃炉 福島第1原発・工事秘録<2011~17年>』一般メディアが語らない前代未聞の巨大な"現場" - HONZ

    新国立競技場の建設が佳境に入った。2月からは屋根工事もはじまり、20基もの大型クレーンが同時に動き回る様子は壮観だ。敷地面積11万3000平米、総工費1500億円を超える巨大現場である。完成すると6万8000人の観客を飲み込むという。 いっぽう、福島県双葉町・大熊町ではそれをはるかに凌ぐ規模の工事が進んでいる。敷地面積は30倍の350万平米、総工費は50倍の8兆円。完了まで30〜40年かかると見積もられている福島第1原発廃炉工事だ。 新国立競技場を47都道府県それぞれに建設するような規模なのだが、その全貌が一般のメディアで語られることはない。あまりに専門的すぎるからだ。 書は土木専門誌「日経コンストラクション」に不定期掲載されている巨大現場のレポートのまとめである。それゆえに、文は土木関係者向きのお硬い内容になっている。 そもそも前代未聞の現場である。放射能に汚染されたガレキの撤去や無

    『すごい廃炉 福島第1原発・工事秘録<2011~17年>』一般メディアが語らない前代未聞の巨大な"現場" - HONZ
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    photospo 2018/03/16
  • 『『捨てられないTシャツ』Tシャツには、物語が溢れている - HONZ

    幼い頃、母親からTシャツは下着であると教えられた。当時、下着は断然、白のランニング派だったので、Tシャツには見向きもしなかった。だから学生時代にアメカジブームに遭遇した時は面らった。白いTシャツを着た男たちが街にあふれたからである。 そんなTシャツがいまや欠かせないファッションアイテムである。ならばさわやかに着こなしてやろうと意気込んでも、時すでに遅し。ぶくぶくと太った体型にあわせても、寺内貫太郎にしか見えない。気がつけば、白いTシャツは、手の届かない憧れのアイテムになってしまっていた。 『捨てられないTシャツ』は、有名無名を問わず70人のTシャツにまつわるエピソードをまとめた一冊だ。これがむちゃくちゃ面白い。 編者は都築響一。雑誌メディアにオシャレなインテリア写真があふれる時代に、あえて生活感あふれる部屋の写真ばかりを集めた『TOKYO STYLE』を発表するなど、独自の視点で刺激的な

    『『捨てられないTシャツ』Tシャツには、物語が溢れている - HONZ
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    photospo 2017/06/07
  • 『科学者の網膜 身体をめぐる映像技術論』「ありのまま」に挑んだ5人の科学者たち - HONZ

    人は機械に取り込まれているのよ!!(注:若干意訳) なんと言うことだろう、昔の人は写真に魂を吸い取られると信じて撮られるのを気で恐れたという話があるが、まさか真実だったのか。思わず震え声になってしまう。人間が気付いていないだけで人類は機械の掌で転がされているだけの存在だということなのか…。実は読み終えた今でも、機械の中で生きる人類を想像してちょっと怖い気持ちになる。 書は19世紀末から20世紀初頭にかけての5人の科学者を中心に語られている写真文化論だ。 タイトルでもある「科学者の網膜」とは、19世紀後半頃に写真に対して呼び称されたもので、それは科学的な観察手段として人間の認知以上に正確に事象を捉えることができるという意味を込めているのである。 彼らには立場の違いこそあれ、写真を通して身体を観察対象としていたというところに共通点がある。この時代は、写真技術はすでに存在するが映像技術はまだ

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    photospo 2017/05/11
  • 行かなくてもいいくらいに解説されてるけど、やっぱり行きたくなってしまう『国立科学博物館のひみつ 地球館探検編』 - HONZ

    HONZの成毛代表、何を考えているのか、忙しいとぼやきながらも、今年はめったやたらとを出すらしい。大丈夫か。しかし、いちばん気合いがはいってるのはこのだ。なんせ、ADHDを誇る成毛代表が、国立科学博物館という同じテーマに固執して二冊目のを出すのだから。ただし、人に確認した訳ではありませんので、まぁ、いま巷に流行る忖度いうやつですわ。 しかし、相当に力がはいっているのは間違いない。案内される成毛眞、興奮しまくら千代子状態なのである。少なくとも私が知る限り、呑まずにこんなにご機嫌で楽しそうな顔をしてわざとらしいポーズをとるような男ではないのだから。 一冊目の科博は、当時の折原守副館長に日館を案内してもらうというのがメインであった。今回は、日館と双璧をなす地球館について、それぞれのセクションのエキスパートに教えを請うというスタイルだ。さすが成毛眞、二匹目のドジョウを狙うとはいえ、一

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    photospo 2017/04/16
  • 軍靴よりブランド靴 『WHAT IS SAPEUR ? 貧しくも世界一エレガントなコンゴの男たち』 - HONZ

    初詣くらいはスーツでビシッと決めようかと思ったものの、仕事で着るものしか持っていない。若い頃は、小遣いの何倍もするブランドもののシャツを買うためにバーゲンに並んだものだが、いつしか私は、高い服を買うのに罪悪感を抱くようになってしまっていた。 ところが、書で紹介されている男たちときたら、50歳を過ぎても、月収の何倍もするスーツを着て良い気になっている。日では浪費家というレッテルを貼られてしまいそうな彼らこそ、サプールという生き方を選んだ、誇り高きコンゴの英雄たちなのである。 「世界は“違う”からこそ“面白い”──」書は、そんなテーマで番組づくりをしているNHK「地球イチバン」のディレクターである著者が、“世界でイチバン”服にお金をかける男たち「サプール」を対象に選んだ経緯とその取材過程をまとめたルポである。サプールのルールの紹介や彼らへのインタビューなどで構成されている。 文章ももちろ

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    photospo 2016/01/06
  • 世界の320万人が“いいね!”した『AMAZING KYOTO 』 - HONZ

    表紙の帯をはずせば、平安貴族の旅装束から女性の口元が覗く。 この写真は葵祭、祇園祭とともに知られる京都三大祭りのひとつ「時代祭」のシーンである。時代祭とは京都御所から出発し、山国隊の奏する笛、太鼓の音色を先頭に約2,000名・約2キロにわたる行列をなし平安神宮を目指す伝統行事だ。常盤御前、巴御前、出雲の阿国など麗しい姿もあり、京都の歴史をしのばせる。 書は、京都の魅力を外国人ならではの斬新な目線で紹介する日英語併記のバイリンガルブックだ。奥深い京都を訪れる外国人や観光客に向けて、伝統的な祭りや年中行事、文化英語/日語で紹介されている。 Discover Kyoto編集部が立ち上げたFacebookページ、「Kyoto Fan」のページは320万いいね!まで押された。(ちなみに2015年11月時点では380万人)Facebook上での都市のファンページは2位のパリ、3位のドバイを

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    photospo 2015/11/08
  • 「鳶」兼「写真家」 『解業』 - HONZ

    独自の視点で、質の高い写真集をいつも紹介してくれる出版社、赤々舎。今度は、「鳶」として日を駆け巡りながら、休みを利用して撮影をする「写真家」の作品を刊行するという。しかも、なんと1年間、毎月、月刊体制で連続刊行するとのこと。見れば強烈な生命力を感じる写真が並ぶ一冊だ。撮影したのは鈴木育郎さん、1985年生まれ。いったいどんな人なのだろう。 「この鈴木さんの撮る、べ物の写真がたまらないんですよ」 そう熱を込めて語ってくれたのは赤々舎の棚橋万貴さんだ。場所は鎌倉、毎年この月に開かれる「かまくらブックフェスタ」でのこと。 鎌倉駅から歩いて10分ほど、江の電がガタンゴトンと横を走るカフェで開かれるこのブックフェアは2015年で5回目。鎌倉の出版社「港の人」主催で毎年この時期に開かれるそうで、個性的な出版社や出版人が集う。縁があり出かけたのだが、赤々舎の写真集は数冊持っており、「これはチェックせ

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    photospo 2015/10/14
  • 無常のブルー『TRUK LAGOON トラック諸島 閉じ込められた記憶』 - HONZ

    深遠な海の中に身を沈めれば、無重力の浮遊感。 目の前には鮮やかな魚達が横切り、好奇心旺盛なイルカや色とりどりのサンゴ礁、人間よりも遥かに大きく愛嬌のあるマンタやジンベエザメなど。ダイビングは、陸上では味わえない世界を堪能できる。 一方、太平洋戦争時の旧日軍の重要拠点であるミクロネシア連邦チューク州。旧トラック諸島と呼ばれたこの地は空襲により2日で壊滅した。現在、存在するのは戦火に撃沈した戦艦や商船。チューク島はいま大きく変化している。 書はトラック空襲により海に沈んだ船にフォーカスした写真集だ。商船として生まれながらも、徴傭された軍用船や戦艦、米国のトラック大空襲で沈んだもの40隻余。それらを水中写真家である著者が9年の間撮影し、少しずつ記憶を紡いできた。 著者は水中写真家、古見きゅう。日経ナショナル ジオグラフィック写真賞にて優秀賞を受賞。世界を旅し、一年の3分の2は海に潜っていると

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    photospo 2015/10/07
  • 家の前に大きなピレネー犬が倒れていた! さあどうする?『その道のプロに聞く 生きものの持ちかた』 - HONZ

    朝、会社に行こうと玄関のドアを開けたら、大きなピレネー犬が倒れていた。大変だ、病院に運ばなきゃ! でも、こんな大型犬、どうやって持てばいいの?? 大ピーンチ!! ……って、「普通じゃ~ん」と思ったあなた、い~えいえ違うのです。これは互いの腰に負担をかけず、犬が暴れてもキックされにくく、万が一、落としても着地の危険が少ない、という、じつに考え尽くされた持ち方なのだ。 これで、通りかかった配達のお兄さんから台車を強奪する必要もなくなった。当によかった、このがあって!! と、若干妄想が入りましたが、書は身近なペットから危険生物まで、獣医さんやペットショップのオーナーさんなどその道のプロが「正しい持ち方」を写真で伝授してくれる、『家庭の医学』並みに一家に一冊必備されてもよい実用的ななのである。 たとえば光る竹を切ってみたら、かぐや姫のようなオオコノハズクが出てくること、たまにありますね。小

    家の前に大きなピレネー犬が倒れていた! さあどうする?『その道のプロに聞く 生きものの持ちかた』 - HONZ
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    photospo 2015/09/27
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