4年目に入ったウクライナ侵攻で初めて休戦が実現するのか。全世界が注目したアメリカとロシア首脳による電話会談は、意外な結果に終わった。 完全停戦でもなければ、物別れでもなく、エネルギー関連施設に限って相互に攻撃を停止するという極めて限定的なものだった。なぜ、こういう合意になったのか。今後、停戦や和平に向けた動きはどうなるのか。 プーチンの巧みな戦略 今回の会談結果を分析してみると、その要因として、くっきり浮かび上がることがある。プーチンがこれまでの対トランプ外交で秘かに適用していると言われる「3つのルール」だ。 まず、➀交渉でトランプからの提案が受け入れられないものでも、交渉を決裂させない。その代わりにたいして意味のない限定的合意を達成して、トランプのメンツを潰さない、②アメリカ側が引き続き受け入れられない提案をしてきた場合、さまざまな条件をアメリカ側に突き付けて交渉を長引かせながら交渉自体
