【ワシントン=山田哲朗】ノーベル賞をもじり、ユーモアあふれる科学研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」の授賞式が1日、米マサチューセッツ州のハーバード大で開かれ、パンダの糞(ふん)に含まれる細菌で台所のゴミを90%減らせることを示した田口文章・北里大名誉教授(72)が「生物学賞」を受賞した。 田口さんらは、消化しにくいササを主食にするパンダに目をつけ、上野動物園からパンダのフンをもらい受けて有用な菌を分離。生ゴミを分解して減量できることを実証した。田口さんは授賞式で「パンダの糞は臭くないので実験に好都合だった」と話し、会場の笑いを誘った。 このほか、バーのけんかで使う時には空のビール瓶の方が中身が入った瓶より頑丈なことを示した研究が「平和賞」、「小さな銀行を急に巨大にし、その逆も可能なことを示した」として、金融破綻(はたん)したアイスランドの銀行経営者が「経済学賞」を受賞した。