前回、編集者は「影響力を最大化する仕事」だと書きました。ぼくらは日々、「想いを伝えるための方法」を考えているわけですが、今回は、そのためにはどうしたらいいのかということを、考えてみましょう。 ■わかりにくいものと社会を結びつける 物事を伝えるために必要なことはたくさんあるのですが、そのなかでもとくに大事なのは「コンテクスト(文脈)をつくる」ということではないかと思います。 編集者は、日常的にいろんな人と会います。お茶を飲みながら、食事をしながら、お酒を飲みながら、いろんなシチュエーションで、人に会って話を聞き、企画を立てたり、執筆を依頼したりしています。 一般的に、本を出すような人というのは、突出した能力や経験がある方々です。ただ、そういうすごい人たちのすごさというのは、そのままだと本(=商品)にするのは難しいことがあります。すごいというだけで商品になってしまう場合もたまにありますが、存在