2人でゲーム作るまんが
今回は表題の通り、イベント出展を考えている個人ゲーム開発者の方向けの記事となります。 ここ最近のインディーゲーム熱の高まりやコロナ禍の落ち着きなどで、リアル会場でのゲーム展示イベントが徐々に増えてきました。個人ゲーム開発者でも気軽に出展できるような環境になった一方、イベント出展の経験がなくどのように準備をすればいいかわからないという方も多いと思います。 これまで7-8回のゲームイベントに出展した経験から、事前の準備方法やお役立ち情報などを書いていこうと思います。出展を考えている方々の参考になれば幸いです。 ボードゲームやカードゲームといったアナログゲームの展示イベントも多数ありますが、今回はデジタルゲームに絞ったお話となります。ただ、設営や備品などイベント全般に応用できるノウハウはあるかと思います。 そもそもゲーム展示イベントってどんな感じ?BitSummitの様子(公式サイトから引用)ゲ
海外のゲームを日本向けに販売するときに行われる「ローカライズ」。この品質によってゲームの良し悪しが変わるだけでなく、日本国内のプレイヤーがどう受け取るかまで変化する重要な仕事といえる。 ゲーム開発者たちが情報交換を行うカンファレンス「CEDEC 2021」にて、2020年にソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)から発売された『Ghost of Tsushima』でどのようなローカライズを行ったのか発表が行われた。 『Ghost of Tsushima』はアメリカ製の時代劇アクションアドベンチャーということで、ローカライズに関してもさまざまな苦労や努力があったという。発表内容を一言でまとめると、いかに「エモいローカライズ」を作り上げたか、ということになる。 そもそもローカライズとは? SIEはどうやって作業したのか? 左:ローカライズプロデューサーの関根麗子氏。 右:株式会社ソ
「インディーやるなら一番大事なのは貯金額」「お金を貯めること=自由にゲームを作れる時間を買うこと」──『くまのレストラン』『メグとばけもの』のDaigoが語る“心が折れないゲーム作り”とは 「ゲーム市場のフロンティアだ」と言われたインディーゲームも今は昔。 Steamでの年間発表タイトル数は1万を超え、また過去の名作がどんどんとセールで安く売られるという、苛烈なレッドオーシャン状態にあるインディーゲームというジャンルの中で、いったいどうやって戦っていけばいいのだろうか? 「インディーゲームをやるなら、一番大事なのは貯金額だと思うんです」 ──そう語るのは、高評価2DドットRPG作品『くまのレストラン』『メグとばけもの』などで知られるOdencatのDaigo氏だ。 『くまのレストラン』『メグとばけもの』スクウェア・エニックスやDeNAといった大手メーカーで働いていた同氏は、モバイルゲームバ
はじめまして、京都の出町柳という観光地のような学生街のような所でインディーゲームの開発やパブリッシングをしている株式会社room6の代表をしておりますまさしと申します。どうぞよろしくおねがいします。 前はGoogleのBloggerでいろいろ書いてたんですが、なんか使い方を忘れつつあるのでこちらにて。 さて今回何を書いてみようかな?と考えてみて、あんまりデカイこと書いちゃうと後が続かなさそうだし、かといって今日のお昼ごはんの事みたいな小さい事書いてもね、、と思いましたので、ちょっと表題のような事を書いてみようと思ったわけでございます。 とはいえ、僕自身は個人ゲーム開発者ではないわけで会社でゲーム作るマンなんですが、ゲームパブリッシャー業の端くれみたいな事もしている関係で少し個人ゲーム開発者の事情なんかもわかってたりもします。 まあそのあたりを踏まえてつらつらと書いてみちゃおうかなという感じ
あけましておめでとうございます。 ディレクターの福原です。 こうして公式ブログで筆を執るのも、昨年1月7日の『ディレクターレター Vol.2』以来となり、実に丸一年ぶりとなります。 運営も7年目に差し掛かりコンテンツの量も増えたため、よりゲームを便利に楽しく遊べるように…といった細かなアップデートが増えてきました。それにあたり、ひとつひとつの実装意図などをなるべく伝えるようにするのが昨今は重要なのだな、と感じています。 とはいえゲーム内お知らせや、ありえないですがTwitterなどでその意図を毎回つらつらと書くというワケにもいきませんので、生放送やフェスのトークステージでなるべく伝えたいことは喋るようにしてきた2019年でした。 ということで、2020年の展望について、現時点でお話しできる点についてお伝えしたいと思います。 「グランブルーファンタジー」について 【長期運営のゲームが抱く宿命
[CEDEC 2023]ゲーム実況の歴史や価値,業界に与える影響とは? さまざまな事例を通じて得られた「ゲーム実況の可能性」 ライター:大陸新秩序 2023年8月25日,ゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC 2023」にて,セッション「この1時間でゲーム実況業界の全てがわかる!?ゲーム実況の過去・現在・未来【2023年版】〜大きいコミュニティと小さいコミュニティを作り分けろ!」が行われた。 本セッションには,ゲーム実況業界を独自に分析している中田朋成氏と,長年ゲーム実況の現場でプロとして活動しているスタジオNGCのえどさん”こと江戸清仁氏(以下,えどさん”)が登壇。ゲーム実況の歴史の振り返りや関連人物・組織紹介などを行いながら,さまざまな事例を通して得た「ゲーム実況の可能性」について,私見を交えつつ語られた。 左から中田朋成氏,えどさん”こと江戸清仁氏 ゲーム実況の歴史(抜粋) セッ
今年1月に10年越しにダウンロード販売が開始され、Steam版のリリースも決定した『Hellsinker.』。2007年にリリースされた同人ゲームながらも、長きに渡り多くのファンを作り、国内外のシューティングゲームに大きな影響を与えた作品だ。本作の魅力に迫った「『Hellsinker.』が伝説のシューティングである10の理由」という記事を以前、公開した。今回は作者のTonnor氏のインタビューをお届けしたい。 縦スクロールシューティング『らじおぞんで』で注目を浴びた存在 Tonnor氏(ひらにょん、とんのり丸など他の名義もある)は2000年頃から活動しているクリエイター。個人サークルとして「犬丼帝国」や「Ruminant's Whimper」といった名義で活動してきたが、ほとんどの作品は1人で制作している。『Hellsinker.』以前からインターネット上でフリーゲームの作者として知られて
TOP 連載 日本のインディーゲーム開発者の現場から 第1回:ガンダム、マクロス好きで知られるゲーム業界20年のベテランtake氏が贈る、可変ロボットが登場するフライトオープンワールドRPGゲーム。Blender、Unreal Engine 4を活用 2023/04/12 日本のインディーゲーム開発者の現場から 第1回:ガンダム、マクロス好きで知られるゲーム業界20年のベテランtake氏が贈る、可変ロボットが登場するフライトオープンワールドRPGゲーム。Blender、Unreal Engine 4を活用 ゲーム開発環境のオープン化や販路の整備によって切り開かれた、個人・小規模チームでゲームをつくって配信する「インディーゲーム開発者」という生き方。本連載は、日本でインディーゲーム開発者として活躍する人々を紹介し、どのようにしてゲームをつくり、どうしてゲームという表現を選んだのかを聞くシリー
[GDC 2023]「グランツーリスモ7」でリアルな雲を表現したリアルタイム雲生成の秘密 ライター:西川善司 GDC 2023初日の米国時間2023年3月20日,3Dゲームグラフィックス関連のセッションを1日とおして行う「Advanced Graphics Summit」が行われた。このイベントは,「God of War」の開発元であるSanta Monica Studiosや,「グランツーリスモ7」(PS5 / PS4,以下,GT7)のポリフォニーデジタル,PS5版「Marvel's Spider-Man' Remastered」のPC版移植を担当したNixxes Software(関連記事),そしてGPU&CPUメーカーであるAMDといった具合に,ゲームグラフィックスの世界では知られた企業からの講演者が講演を行うというものだ。 本稿ではその中から,ポリフォニーデジタルによる「Reali
私はかねてより「音楽とゲームの融合」を目指してゲーム開発を行ってきました。先日公開した作品「Same Game, Different Music」では、古典的なパズルゲームである「さめがめ」をプレイするだけで、ブロックを消す順番とスコアに応じて毎回違った音楽が生成・展開されます。 【新作公開】「Same Game, Different Music」を公開しました。「さめがめ」という古典的なパズルゲームの音楽的再解釈を行ったもので、ブロックを消す順番とスコアに応じて毎回違った音楽が生成・展開されていきます。https://t.co/Kj1nzlhcGq pic.twitter.com/s1NtA79Z6V — じーくどらむす/岩本翔 (@geekdrums) December 11, 2022
X上でつぶやいた内容のリンクです。 ログ化しないと、流れてしまってもったいないので… 最後にまとめを書いているので、そちらだけ読むほうが分かりやすいかもしれません。 とはいえ、所詮メモですが… 結論がボヤけていたので先にまとめます。 「やらされてる感」は「主体性が無い状態で強制的にゲームプレイを継続している時」に発生する感情です。 主体性は「自分の意思」あるいは「自由意思」と言い換えてもいいですね。 「主体性が無い」状態は「ゲームの仕組みにより奪われた」場合と「ゲームの仕組みのせいで生まれていない」場合があります。前者の代表例が「レベル上げ」で後者の代表例が「何をすればいいか分からない」です。 整理すると…「ゲームの仕組みにより自分の意思が【封じられた状態】でゲームプレイを継続させられる」状態か「ゲームの仕組みにより自分の意思が【発生していない状態】でゲームプレイを継続させられる」状態によ
スライド概要 本スライドは2024年5月25日(土)に開催したゲーム開発者向けのリアルイベント『ゲームメーカーズ スクランブル2024』で行われた講演のスライドとなります。 タイトル: 【公開】ヒット作品のつくり方 内容: ヒット作品は一握りの天才が産み出すものと思い込んでいませんか? 「才能がなくても、よく売れる人気作品は作れるよ。」 「ヒット作品を産み出すフレームワークがあるからだよ。」と聞くとどう思いますか? 「そんなもの本当にあるの?もしあるんだったら、どんなものか教えてよ!」 と思ったそこのアナタ! まさにアナタのための講演です。 ヒット作品の作り方を出来るだけ分かりやすくお伝えしてみます。 登壇者: 株式会社ホットスタッフ・プロモーション コンテンツクリエイティブセクション エグゼクティブプロデューサー コヤ所長(小山 順一朗)氏 講演動画も公開中! https://youtu
プログラミング指南 - Code Knowledge ゲーム制作に関するプログラミング等を主に書き溜めていきます。ただ、どちらかと言えば日記的な書き方が続くと思いますが、そこは温かい目で見て頂ければ。あと、ちょっとしたサンプルやツールのダウンロードも出来るようにしておきます。 今回は、リクエストがあった VS2022 の C# だけでゲームの画面表示を、どうやって実装するかの手順説明となります。簡単ではありますが、細かく説明したために少し記事が長くなっています。まあ、DirectX 使うという選択肢とかもあるんですが、簡単なゲームなら C# .NET のそのまんまでもさほど問題にはならないですね。今時の PC 能力は本当に凄いと思います。 Visual Studio 2022 にて Windows フォームアプリで新しいプロジェクトを作成します。プロジェクト名はここでは GameTest
前置き クオータービューゲームってご存知ですか? 自分はあんまり最近のゲーム知らなくて、古い例しか出てきませんが、「A列車で行こう4」とか「SimCity 2000」のような、等角投影図風に描いたドット絵を配置したゲームのことです。見下ろし型とか、2.5Dとか、鳥瞰図なんて言われる場合もありますね(これらは必ずしもクオータービューだけを指す言葉じゃないですが)。英語だと isometric view と呼ぶようです。 3Dのような奥行きのある絵ですが、実体は二次元(Sprite)なので描画順(z-オーダー)で重なりを制御する必要があります。 唐突ですがここで問題。 上に挙げた緑、橙、紫のドット絵それぞれから3つの Sprite を作って、下の画像を作るにはどういう描画順で描画すればいいでしょうか? 答えは、「(※この問題の前提では)不可能」です。 それぞれの重なってる部分を見てください。橙
昨年、大阪で行われたeスポーツ大会「GAME CENTER’S GP2019」において、『ストリートファイターV』のリュウを華麗に操り、決勝戦ではゲーム好きグラドルの倉持由香さんを破って見事に優勝。さらに、「第三回eスポーツ スターバトル チャンピオンシップ」では第一回大会の優勝者、ゴールデンボンバーの歌広場淳さんにも勝利し、その名を一躍とどろかせた1人、もとい1体の凄腕ゆるキャラがいる。 ゲーマーを自称する並みの人間も顔負けの、我々人類の想像を超越したパフォーマンスを披露した、まさにeスポーツ界の超新星。その正体は、2016年の「ゆるキャラグランプリ」の覇者で、高知県須崎市出身のご当地キャラクター、しんじょう君だ。 持ち前のかわいらしさで、ご当地アピールに貢献できれば基本オーケーとされるであろうゆるキャラの世界にあって、eスポーツの大会で優勝をさらうほどの腕前を持つしんじょう君とは、はた
[CEDEC 2023]ユニットが個性を発揮し,柔軟に動くためのAIとはどのようなものなのか。「タクティクスオウガ リボーン」のAI実装事例を紹介 ライター:箭本進一 ゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC 2023」では「『タクティクスオウガ リボーン』のAI実装事例」と題した講演が行われ,シミュレーションRPGにおけるAIがどのように状況を判断しているのかが明かされた。同作では地形に高低差があったり,様々な能力を持つユニットたちが他のユニットを守るべき状況が発生したりと,判断すべき項目が多岐にわたる。 企画者が望む振る舞いをAIにさせる手法について,スクウェア・エニックス 第一開発事業本部 ディビジョン5 プログラマーの長谷川 誠氏が語った。 スクウェア・エニックス 第一開発事業本部 ディビジョン5 プログラマーの長谷川 誠氏 ユニットが個性を発揮し,柔軟に動くためのAIとはどのよ
ビデオゲームの黎明期から現在まで、さまざまな派生を広げつつ玉座に居座り続けてきたジャンル「アクションゲーム」。2Dや3D、あるいはRPGやアドベンチャーといった他ジャンルと複合したものも含めると、もはや生きている間にすべてをプレイすることは不可能だと思わせるほど無数の作品が存在している。 昨今もインディーやメジャーを問わず、アクションゲームあるいはアクション要素を持つ作品が市場の大多数を占めていることを考慮するに、いまアクションゲームを「ビデオゲームの王様」と呼ぶことになんら差し障りはないだろう。誕生から数十年が経ったにも関わらず、同ジャンルはつねに新しい知見や試行錯誤に溢れており、日々デベロッパーたちは切磋琢磨を続け新作に取り組んでいる。 そんな「ビデオゲームの王様」のジャンルの中で、高品質なタイトルを開発し続け世界的に評価を得ている日本のゲーム開発スタジオが、ご存知プラチナゲームズだ。
最近、新型コロナの影響でゲームイベントが停止となり、不特定多数のプレイヤーに開発中のゲームを触ってもらうことが難しくなっている。 そんなわけで、私が運営しているゲームキャストのDiscord(ゲーマーが集まる掲示板みたいなもの)開発中ゲームのテスター募集する依頼が増えてきて、もう20回以上もβテストを何度も仲介をしている。 で、そんな中でたまったノウハウを、はじめてテストを行うようなインディーゲーム開発者のために還元しておきたい。ということでこの記事を書いた。 テスターを集める前に Twitterでフォロワーが多かったり、有名な人がかかわっていれば作っと集まったりするけど、今回は全く無名という前提で。 知り合い内で試す時期を過ぎたものとする。 1.目的なくテストしてはいけない Discordを利用してテスター募集をするとき「何のためにテストするんですか?」と聞くと、意外にも「とりあえず反応
[GDC 2024]DLSS,FSR,XeSSなど乱立する超解像技術をゲーム開発者が扱いやすくするMicrosoftの新仕様「DirectSR」とは? ライター:西川善司 米国時間3月21日,GDC 2024においてMicrosoftとAMD,NVIDIAの面々が勢揃いした開発者向けセッション「DirectX State of the Union」が行われた。この中でMicrosoftは,DirectXの新要素として自律駆動型GPU描画サブシステム「Work Graph」と,超解像技術の標準化仕様「DirectSR」を発表している。 Work Graphについては,すでにレポートを掲載しているので,本講では,DirectSRについて取り上げたい。 セッションを担当した Shawn Hargreaves氏(左,Dev Manager,Direct3D,Microsoft) Rob Marti
2019年7月6日、株式会社サイバーエージェントが主催するイベント「Battle Conference U30」が開催されました。30歳以下のエンジニアによる30歳以下のエンジニアのための技術カンファレンスである本イベントには、さまざまな領域で活躍する若手が登壇。企業の枠を超えて、自身の技術・事業・キャリアに関する知見を発表しました。「ゲームロジックからデザインまで完全オリジナルの押し相撲ゲーム『オシマル』の紹介」に登壇したのは、Tech Kids School生徒・宮城采生氏。 小学生エンジニアの開発エピソード 宮城采生氏:小学生開発者の宮城采生です。よろしくお願いします。 (会場拍手) 僕は2年前から「ふうセン」「オシマル」の2つのゲームアプリを作ってきました。運良く両方とも大会で優勝しています。開発環境はMacでUnityとC#を使っています。昨年末から4ヶ月ほど「Kids Crea
皆さんこんにちは、毎年恒例のCEDECでのセガグループによるセッション紹介です! 株式会社セガ、第3事業部の麓です。 来月に今年はオンラインで開催されるゲーム業界最大のカンファレンス CEDEC2020 https://cedec.cesa.or.jp/2020/ 会期:2020年9月2日(水)~9月4日(金) にセガグループ(および関連会社)から今年もいくつか登壇します! 今回で5回目となる、セガグループ関係者によるセッションと登壇者紹介に加え、ここでしか見れない講演者からのメッセージや、当日の資料からの抜粋等、紹介します。 デフォルメとリアルの両立を目指して ~新サクラ大戦のキャラクター作成事例~ セッション内容と講演者より 講演者 スナップショット セッションについて一言 「歌い出すSympathy」、PSO2のボーカルBGM制作談 セッション内容と講演者より 講演者 スナップショッ
講師の安原広和氏はこれまで『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』のプランナーや、Naughty Dogで『アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝』のゲームデザイナーを務めてきた。2016年からはユニティ・テクノロジーズ・ジャパンに移籍し、2018年には東京工科大学 メディア学部 メディア学科 特任准教授に就任している。 GDC 2018では「Classic Game Postmortem」と銘打った、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の開発に関する講演を行った。こちらは日本語での講演なので、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』に興味がある方は見てほしい。 「遊びのデザイン講座」は2017年にスタート。Unity Engineのユニティ・テクノロジーズ・ジャパンが主催しているが、ゲームを作るツールを使う前段階として、ゲームを作るための知識を教えるという側面が強い連載となっている。ゲームとはどのような遊びか、遊び
ポケモンの鳴き声を環境音として初めて導入したのは『ルビ・サファ』 講演は、一之瀬氏による「ポケモン世界における環境音」のお話から始まりました。一之瀬氏によると、一般的にゲームの環境音といえば、現実世界の音がそのまま使われることも多いようですが、こと『ポケモン』シリーズに限ってその手はなかなか使えないとのことです。 その理由は、「生き物の声」。現実世界では意識せずとも聞こえてくる鳥の鳴き声や虫のさざめきですが、ポケモン世界に現実の鳥や虫は登場しません。環境のなかで当たり前にある鳴き声そのものを、「ポケモンの声」で作らなくてはいけないのです。 そのため、今回の講演では環境音のなかでもとりわけポケモンたちの鳴き声にフォーカスした「環境鳴き声」をひとつのカテゴリーとして設定し、鳴き声以外の全てを網羅する「環境音」、それら環境音制作を効率的にすすめるための「効率化・最適化」とあわせて3つの軸としてい
[CEDEC 2019]「ギフトが当たると勝手に動くVTuberアバター」セッションレポート。2人のVTuberが握手し・肩をつかみ・抱き寄せる。物理エンジンを利用した演技サポートシステムを体験 ライター:徳岡正肇 さまざまな広がりを見せるVR技術だが,3Dのアバターを用いてVR空間でコミュニケーションを行う「VR Chat」は人気が高いだけでなく,その利用法もあれこれと模索されている。 そんな中「自分のアバターが,ほかのアバターやオブジェクトに接触しても,物体を貫通してそこから先に進むことのない技術」がTwitterで発表され,CEDEC 2019ではインタラクティブセッションとして公開された。 簡単に説明すると,ほかのアバターに対し“触れた”状態がよりリアルに表現されるだけでなく,“押す”ことで,ほかのアバターの姿勢に影響を与えることもできる,というもので,いままでありそうでなかった技
■著者について下田賢佑(しもだ けんすけ) キャリア15年以上のゲームデザイナー(プランナー)です。大手のゲーム会社に就職した後、2010年に自分の会社を作って10年以上様々なクライアントと契約してゲームデザイナーの仕事を続けて来ました。大手パブリッシャーから中小ディベロッパーまで、コンソールゲームからスマフォゲームまで、AAAゲームからインディーゲームまで、規模やジャンルやプラットフォームを問わず様々なプロジェクトを経験して、業界全般への知識があります。 ■この記事の対象読者についてこれから就職活動を始める大学生のためだけでなく、進路選択に悩む高校生の疑問にも答える内容となってます。 ■この記事及び今後の連載の趣旨についてこれまで、このnoteのマガジンに限らず、同業のゲームデザイナー向けの話を色々な所でして来ましたが、業界志望者向けの就職指南については話すことを避けて来ました。理由は、
1. ゲームが新しいショッピングセンター(そして新しいスポーツバー)になる 2. ゲームが「一発屋」から脱却し、生きたシリーズに進化した 3. プラットフォームの集約が巨大なヒット作を生む 4. ゲームの発見がオーガニックでソーシャルになる 5. 次のMarvel Universeはゲームから生まれる 6. 消費者は共同制作者でもある 長期的な展望 ゲームは「ポン」の時代から大きく発展しました。ポンとは、1つの白いピクセルが画面上を飛び跳ねる、粗末な卓球シミュレーションです。クラッシックなアーケードゲームとして1972年、黎明期のゲーム業界で初のヒット作となりました。 それ以来、ニッチな趣味であったゲームはエンターテイメント業界で有力な勢力にまで成長しました。昨年、RockstarのRed Dead Redemption 2は発売週に7億2500万ドルを売り上げ、ハリウッドの週間興行収入の
[GDC 2021]西洋の伝統的絵画とは異なる,中国伝統絵画の技法から作られるアートスタイルとは ライター:徳岡正肇 多くのゲームにとってグラフィックスは欠かさざる要素となるが,一方でプレイヤーによって好みが分かれることもよく知られている。またこの好みは,しばしば文化的差異によっても大まかに差がでることも,何度も指摘されてきた。近年の日本においては,アメリカやヨーロッパの開発会社が作ったゲームのグラフィックスを「洋ゲー」といった言葉で評価することは減っているように思えるが,これは中国市場においても同じとは限らない。 GDC 2021ではNetEaseのArt DirectorであるYang Suo氏により,中国市場のプレイヤーが好むアートスタイルについての講演があった。Suo氏は2006年から2016年までEA ShanghaiでいくつものAAAタイトルに携わっており,2016年から現職に
こんにちは、すずきです。 6月21日10時から行われた株式会社GameWithの株主総会。日本最大のゲーム攻略サイトを運営している会社です 直近決算説明会資料:決算説明資料 株主総会資料:定時株主総会招集通知 2018年株主総会:2018年8月22日 Game Withの株主総会に行ってきました(OTAKUの日記) 業績は増収減益。来期も増収減益予想。ゲーム紹介の売上が伸びるものの、ゲーム攻略の落ち込みと人件費増が重くのしかかってくる見込み ゲーム攻略の落ち込みは、PV数からもうかがえます。2017年5月期第3四半期をピークとして下げ基調が続いています。 GameWithの攻略サイトが強い大手ゲームは、『Fate/Grand Order』『グランブルーファンタジー』『モンスターストライク』の恐らく3つ。これらのゲーム自体の勢いがやや衰えていることが要因でしょう。最近ちょっとスマホゲーム全体
極寒の島を開発し、ペンギンたちの楽園を作って眺める緩いシミュレーションゲーム。それが『ペンギンの島』だ。このようなゲームは過去にもたくさんあったが、今作は映像表現が一味違う。昨今のスマホ性能の向上を利用して、かわいいペンギンが群れる様子を全力で描き切っているのだ。『アビスリウム』など、“癒しのお手軽シミュレーター”の中に割って入る新作と言ってもいいだろう。 ゲームはシンプルに強みを押し出したものになっており“画面をタッチして待っていればペンギンが増えて、かわいい”というわかりやすいゲームになっている。 まず、プレイヤーはお金を支払い、餌を得る“釣り場”や癒しの“温泉”など、ペンギン生息域を作る。生息域を作るとペンギンがやってきて、そこで仕事をしてお金を生み出し始める。お金が貯まったら新しい生息域を作ったり、既存の生息域をアップグレードしてより効率よく金を稼いだりすることが可能だ。 ▲何も知
先日、PlayStation 5(PS5)の実機体験取材に行ってきた。非常に面白い体験だった。 本当は、こうした機会はもっと頻繁にあるべきものなのだろう。だが、コロナ禍にあって通常の体験イベントが開催できず、価格やデザインの発表も大幅に遅れた。一般向けのイベントも、感染拡大防止の観点から開催の予定がない。発売直前のこの時期に、一部メディアやYouTuberに限定された形で行われたのも無理からぬところがある。 その貴重な体験を得た側としては、それを生かしてみなさんに何かを伝えねばならない。ストレートなレポートは筆者もすでに別媒体で記事化したし、ITmediaにも別の記事が掲載されている。 プレイステーション 5実機でプレイ体験! 高速読込と「DualSense」が変えるゲーム体験(西田宗千佳、AV Watch) 国内最速、PlayStation 5実機を初プレイ。ソニーが目指す「ストレスのな
はじめに 以前、「[Unity] 昼夜二枚のドット絵をもとにシームレスな夕焼けアニメーションをする」という記事を書きましたが、最後の補足でこう書きました。 シムシティのようなゲームを考えた場合、建物それぞれが夕焼け効果をレンダリングするのは無駄が多いと思われます。昼と夜のシーン画像をレンダリングして、ポストエフェクトなどでシーン全体で夕焼け効果を合成するのが理想的でしょう。いずれ機会を見つけてチャレンジしたいですね。 ということで、今回はシーン全体で夕焼けアニメーションするチャレンジしてみました。 ちなみに、このシーンは以前記事に書いたドット絵を3Dメッシュに正射影して作ったものを前提としています。 ※建物の絵は FreeTrain というオープンソースのゲームから、作者の了解を得て拝借しています。 その際、Deferredレンダリングを本来の目的と違う邪道な使い方で使ったのでタイトルです
[CEDEC 2022]一般のゲームがシリアスゲームとして評価される? その変化と具体例を示す「シリアスゲーム最新事情」聴講レポート 編集部:御月亜希 ゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC 2022」の2日目となる2022年8月24日,「シリアスゲーム最新事情 〜 一般的なゲームと相互越境する現代のシリアスゲーム」と題された講演が行われた。 現代におけるシリアスゲームの変化とその具体例について,ゲーム学習論や教育工学を研究している,東京大学大学院情報学環 准教授の藤本 徹氏と,ゲームライターの徳岡正肇氏が語った講演の模様をレポートする。 CEDECには何度も登壇している藤本氏は,シリアスゲームを20年ほど研究している人物だ 本題の前に,まずはシリアスゲームがどんなものかという基本的な定義から講演はスタートした。シリアスゲームとは,「社会の諸領域の問題解決のために開発・利用される(デジ
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