「8月に入ると品薄感が強まり、徐々に棚からお米が消えていきました。卸売業者に相談しても『契約分を納めるのが精いっぱい』と言われ、同月中旬以降は棚が空に。9月に入って新潟県や千葉県産の新米が入荷するようになりましたが、連日、夕方までには完売の状況が続いています」──そう話すのは、都内の中規模スーパー店長だ。 首都圏や都市部で「米不足」が顕著になったのは今年8月のこと。それまで当たり前のように買えた米が店頭から消えるまでは「あっと言う間だった」と店長は振り返る。 「テレビや新聞で連日『米不足』が報じられたこと、また8月8日の『南海トラフ地震臨時情報』発出、8月末の台風10号接近が重なり、首都圏でも消費者の不安が加速した感があります。一部で中高年の買い占めが目立ちましたが、彼らは『平成の米騒動』を想起したのかもしれません」 今から約30年前。1993年後半から1994年前半にかけて起きた「平成米