家族を「敵」呼ばわりなんて、中々できない。 たとえば、長年私は母と対立してきた。だが、それでも100%敵だとは思えない。 私を愛そうと努力はしてくれたと思っている。だが、相続の上では「敵」になるかもしれない。 私の母はスピリチュアルな人だ。 普通の占いにハマっているだけならいいが、自分に神が憑いていると信じ、自除霊や祈祷に邁進している。 自宅には信者が集まり、そこで聖水を配ってもいる。 私が独身のまま死んだら、両親が遺産を相続できる。そうすれば私の貯金はあっという間にスピリチュアルな用途へ消えていくだろう。 「死んだ後に金がどう使われようが文句言うなよ」というセルフツッコミもできるが、数珠や水晶に消えるのならば私はなぜ働いているのだろう……と虚しくなる。 うっかり献金者として石碑に名前でも刻まれた日には、祟って出るぞ。……という、私のシチュエーションなどマシな方。 もっと激しく親兄弟を憎む