鴻上尚史が昔、深夜ラジオの放送終了間際(明け方)に「これから日比谷公園に行って1人でジェンカを踊る。無届集会になると困るからリスナー諸君は絶対に来るな!」と呼びかけたことに倣い、私は5/1〜6、毎日19時から数時間、高円寺駅南口広… https://t.co/KJCsWPWzZY
グリーンブック(字幕版) 発売日: 2019/10/02 メディア: Prime Video グリーンブック(吹替版) 発売日: 2019/10/02 メディア: Prime Video 映画『グリーンブック』を見た。まだまだ人種差別の激しい60年代、アメリカのトップランカーである黒人ピアニストの南部ツアーを、ブロンクス育ちのイタリア系白人が運転手、マネージャーとなり旅する話だ。実話に基づいている。 おれはほとんど予備知識なく見た。なんとなく、黒人ピアニストがもっと爺さんだと思っていた。なにかべつの映画と混じっているのかもしれない。出てきたのは、「ドクター」だった。インテリでクールなやつだった。すごく独特の存在感がある。 一方で、イタリア系のおっさんは下品で粗野なところもある、口からでまかせ野郎だが、一本芯が通ったところがある。そのキャラも愛すべき野郎という感じがする。 そんな二人が、黒人
地獄絵図と化した2024年都知事選で外山恒一氏(53)が勝利宣言 「民主主義の打倒を目指す我々の闘いは確実に前進している!」 【外山恒一の「note」コンテンツ一覧】 満面の笑みで「勝利宣言」する外山氏。 「かくすればかくなるものと知りながら、取り返しのつかないことをしてしまった!」 と反省めいた弁も口にしていた。 地獄のような都知事選が始まった。 衆愚政治の祭典たる選挙などもともと地獄であるとはいえ、ことに都知事選では近年、売名目的なのか自己表現なのか自分探しなのか、それともハタからは窺い知れない何らかのやむにやまれぬ衝動に突き動かされてのことか、キテレツとしか云いようのない意味不明な〝インディーズ候補〟の意味不明な出馬が相次ぎ、当選するのは1人であるにも関わらず、回を追うごとに立候補者の数は増加の一途を辿って、今回2024年の都知事選の立候補者はついに50人を超えてしまった。 一地方選
コロナ禍を生きる 黄昏(たそがれ)時の親不孝通り。緊急事態宣言下、福岡市屈指の歓楽街にも新型コロナウイルスの影が覆う。国籍も年齢も多彩な男女の嬌声(きょうせい)が響いた街から人波は消え、飲食店は軒並みシャッターを下ろす。「自粛」。医療崩壊や感染拡大防止を思えば、妥当な正義だ。ただ、得も言われぬ息苦しさもまた漂うのは問答無用故か。 4月1日。ある男のツイートが爆発的に拡散された。今風に言えばバズった。 <(前略)人の命なんぞより自らの地位や利権が大事な奴(やつ)らに“云うこと聞かせる”には、こっちも死ぬ気・殺す気になって、「頼むから、カネを出すから家でじっとしててくれ」と奴らが懇願し始めるまで街に繰り出し続けるべきなのだ。> 1万件近いリツイートを集めたこの声の主は外山恒一(とやまこういち)さん。自らを革命家と称する彼の言葉に、しばし耳を傾けてみたい。 ◇ ◇ 「補償もなしに自粛要請とい
というわけで、東京都知事選がつつがなく終了しました。結果は言うまでもなく現職小池百合子氏の圧勝であり、開票0分で小池氏に当確が出るなど他の有力候補はまともな相手にすらならなかったというのが終わってみての感想と言えます。 とはいえ、そんなわかり切った話は読者のみなさんも関心はないでしょう。気になるのは2位以下の得票数、そしてなにより暇空茜氏をはじめとする泡沫候補の得票数です。 先日、本マガジンでは暇空茜氏の得票数を予測し「2万票~5万票が現実的なライン」「具体的な数字を当て勘で出すなら3万票」という数字をあげたのですが、暇空氏の得票数は筆者の予測を大きく上回る11万196票。「暇空茜が泡沫候補の枠を出ることはない」という基本的な観測自体は覆されませんでしたが、具体的な票読みではやや数字を外すという微妙な結果に終わってしまいました。まぁ自己採点するなら45点というところでしょうか。「選挙は水物
目次 オッカムの剃刀で斬る こべには平気で文章を改竄する こべにの「ネットミーム」という言葉にだまされるな カエルの「ペペ」は特殊な事例 「2ちゃんのコピペ」の根拠は元記事 鬼畜系AV監督と北尾修一 2012年に「村上清のいじめ紀行」の復刻版が発売 鬼畜系ライター・村崎百郎の自己演出 NHK「青春メッセージ」コーネリアス鼻毛事件 こべにの検証で信じていいのは日付だけ オッカムの剃刀で斬る 「オッカムの剃刀」という言葉がある。ある事柄を説明するために、必要以上に多くを仮定するべきではない、という考え方である。 オッカムの剃刀 - Wikipedia こべにというブロガーが「小山田圭吾氏いじめ記事に関する検証その1 その2」(以下「検証その1」「検証その2」)というのを書いているのだが、これが恣意的な切り取りによる憶測まみれのムダに長い記事なので、「オッカムの剃刀」によって事実に基づいた検証を
本記事は2023年6月19日に行われた関東地方のだめライフ愛好会5団体による対談の全編書き起こしである。各大学の事情、キャンパスの公共性を奪う社会の流れ、だめライフの抱える諸課題、さらにはアジールの問題まで侃侃諤諤の議論がなされた。 参加者 中央大学だめライフ愛好会@dame_life_chuo 東京大学だめライフ愛好会@damelifeut 筑波大学だめライフ愛好会@dame_UTsu_life 東海大学だめライフ愛好会@dame_life_tu 多摩美術大学だめライフ愛好会@varavabon オブザーバーK氏 自己紹介 中央大学だめライフ愛好会:どうもみなさんこんにちは。関東のだめライフ対談ということで、今日は4人のだめライフの人に集まっていただきました。まず一人ひとり自己紹介をお願いします。どこのだめライフか、どういう活動をしているかとか、あとは諸々言いたいこととかあれば。 筑波大
2024年10月12日に、SMILEVIDEO(at 阿佐ヶ谷DRIFT)というイベントでオーディオビジュアルライブをやってみました。 www.youtube.com 今後同じようなことをやろうと思った人や自分のために、技術的なノウハウや心構えなどを記録しておきます。 背景 SMILEVIDEOは簡単に言うとニコニコ動画をテーマにしたクラブイベントです。 自分は昔ニコニコ動画で音MADを作ってたのがきっかけで音楽制作を始めました。会場は映像出力が可能だったのと、オファーを頂いてから開催日までの2ヶ月ほど暇だったので、「オーディオビジュアルMADライブ」をやってみようと思い、やってみました。この頃Intel MacからApple Sillicon Macに変えたばかりで、ベンチマークノリで久々にTouchDesignerを触ってみたらサクサク動いて楽しかったので取り入れてと思った、というのも
「問題と自分を切り離す考え方を練習し、連帯していくことが、個々人がいいなと思う生活に近づくために必要なスキルなのではないでしょうか」 朴沙羅『ヘルシンキ 生活の練習』インタビュー 自身の親族への聞き取り調査によって韓国から日本へ渡った移民の歴史や背景を紐解いた『家(チベ)の歴史を書く』(筑摩書房)などで知られる社会学者、朴沙羅。ヘルシンキに移住した彼女が大学で教鞭をとりながら2人の子どもを育てる中で見えた景色や聞こえてきた言葉を記した新作『ヘルシンキ 生活の練習』は、エスノグラフィー(行動観察調査)的な側面だけでなく、筆者が社会の中で問題に直面した際に様々な人々から提示された具体的な解決法や、解決するための糸口をどこに見つけるかといった視点や思考を読者が疑似体験することで、日常にもそれらの技術を活用できるように導く実用書としての側面も持つ。 ――『ヘルシンキ 生活の練習』を拝読して、日本と
【外山恒一の「note」コンテンツ一覧】 「一般向けにも〝教養強化合宿〟をやってくださいよ」 ということをよく云われる。カネなら出す、とまで云われる場合もある。すべてテキトーなことを云って断っている。無理だからである。 一般向けとなれば9泊10日の合宿形式で、というわけにはいくまい。じゃあ無理なのである。それでも参加するという〝一般人〟など大ブルジョアの有閑階級と、ニートと失業者と、あとは正体を隠した某部署の公務員ぐらいのものだろうし、1人あたり100万円ぐらい取らないとモチベーション的にやってられない。 「〝出張版〟を」 「〝1日講座〟的に」 なんて話は論外だ。ナメてんのかという話である。そんなお手軽にできることを〝教養強化合宿〟ではやってない。 しかしまあ、気持ちは分かる。合宿を体験した若者たちにはおおむね大評判なのである。「歴史嫌いが劇的に直った」、「文系偏差値が一気に上がった」、「
網戸から入る蝉の鳴声、エアコンの室外機がたてる低音、扇風機は仕事をしてはいるものの、強い日差しに歯が立つわけもなく、諦めたように首を振り続けている。 先日渡邉格『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』を読んだ。三十路で一念発起パン屋の修行をする傍らマルクスの『資本論』を読みその資本主義の分析を自身のパン作りとクロスさせ、「菌本位制」や「腐る経済」といったユニークな、しかし鋭い資本主義批判を展開するとともに天然酵母によるパン作りと彼の生き方の困難と魅力を存分に伝える本となっている。資本主義批判を生きるそのスタイルに多くの人が触発されるであろう。そこにこんな話がある。著者の渡邉格さんは二十代半ばで父とハンガリーに滞在すること二ヶ月、彼らは「日本人会」が開く歓迎パーティに招待される。そこに集った同年代の華やかさを前にした惨めさに耐えきれず、隅で煙草を吸っていた彼のもとに、バレエをやっている女の子が
youtu.be 『終末のワルキューレ』とかいう漫画を、最新の15巻まで読み終わった。この漫画は脳筋気味なバトルとかなり単純なストーリー展開が特徴的な作品で、知的な人に小馬鹿にされる恐れがある内容だと思った。しかし私は、この漫画はある意味で「令和の世相を読み解くための重要作品」なのではないかと仮説を立てている。なぜならこの漫画は、「終末の未来」と「過去の遺物のサンプリング」によって成立しているからだ。私と同じような仮説を立てた先達っているのかな。もしいたら是非教えて頂きたいものだ☆ 『終末のワルキューレ(1~15まで刊行中)』 作画:アジチカ 原作:梅村真也 構成:フクイタクミ コアミックス 2017年11月25日~ 「終末の未来」と「過去の遺物のサンプリング」 『終末のワルキューレ』の冒頭では、神々による「人類存亡会議」が開かれる。人類は戦争をしたり地球環境を破壊したりしてきた害悪なので
このアカウントを作ってから得難い出会いが多々あり、善き触発と欲望の変形を被ってきました。その過程を再構成するべく、今回は緊密に書いてしまうクセをなるべく排し、意識して冗長に日記をつけてみます。千葉雅也ほか『ライティングの哲学』を読んでそう決心するも、成功したかは微妙です。 §1 同人誌について §2 フーリエ主義者同盟について §3 怖るべき囚人の陶酔論 §4 社会の精神病院化 §5 性政治の不可能性 §6 バタイユからクロソウスキーへ §7 生残者の倫理 §1 同人誌について 宮﨑悠暢氏(★)の主催による同人誌『PROJEKT METAPHYSICA Vol.1』に、論考「模像の消尽のためのエスキス」を寄稿しました。 きっかけは宮﨑氏にドゥンス・スコトゥスの動画を見つけていただいたことに遡ります。宮﨑氏は当時、VTuberを主題にした評論同人を企画されており、そこに寄稿依頼をもらって、2
Koichi Toyama has published a horrifying paper on his website entitled "The Final Solution to the Keigo Oyamada Question." This title is based on "The Final Solution to the Jewish Question." Keigo Oyamada is a world-renowned musician by the name of Cornelius. His music was scheduled to be used for the opening ceremony of the Tokyo Olympics and Paralympics. However, his problematic behavior was dis
2020年5月10日。ゲンロンカフェで行われた革命家・外山恒一と批評家・東浩紀の対談は異例の展開を迎えていた。第1部の最後で外山と東が、画面の外の視聴者に向かってこう呼びかけたのだ。 「僕たちと議論したい人がいれば来てください。一般人でもいいです」 カフェイベントとしては異例の展開である。蓋を開けてみると、第2部が始まってゲンロンの会場にやってきたのは、20代らしき若者数人。一部は外山が主催するセミナーの受講生であり、第1部の放送を見て、仲間とともに呼びかけに応じてやってきたのだという。 こうして波乱の予感で幕を開けた外山×東の対談第2部。今回はその模様をお届けしよう。 ※本イベント 第1部の模様は、Vimeoにてご視聴いただけます。ぜひお楽しみください。(ゲンロン編集部) 運動とは「不動産」の問題であり、革命とは「実効支配地域」を作ることだ 第2部が始まって数十分でカフェに到着した若者た
演劇感想サイト「福岡演劇の今」 http://f-e-now.ciao.jp/ の管理人のblogです。 Twitter:https://twitter.com/nonchan_hg Facebook:https://www.facebook.com/nobuki.nagino メール:gxdnc160@ybb.ne.jp 携帯:090-4348-7252 小山田圭吾氏のいじめについては、次の「孤立無援のブログ」と「北尾修一氏」の論争に集約できるだろう。 ①小山田圭吾における人間の研究 2006-11-15 孤立無援のブログ https://koritsumuen.hatenablog.com/entry/20061115/p1 ②小山田圭吾のいじめを次世代に語り継ぐ 2012-08-12 孤立無援のブログ https://koritsumuen.hatenablog.com/entry/
神奈川県横須賀市出身。中央大学文学部卒業。株式会社ナムコ(現・バンダイナムコエンターテインメント)にて事業戦略やエンターテインメント施設のプロデュースを担当[3]。その後に株式会社オン・ザ・コーナー社にて、ウェブ制作、イベントプロデュースを行う。 2009年に日本初のJリーグサポーターによるNPO法人「NPO法人ハマトラ・横浜フットボールネットワーク」、2011年に日本初のサッカー専門映画祭「ヨコハマ・フットボール映画祭」[4]、東日本大震災の際にはサッカーサポーターの被災地支援プロジェクト「Football saves Japan」、2015年に「東京国際フットボール映画祭」を立ち上げた。スポーツ関連の飲食店(スポーツバー)も手がけている。 ライターとしては、サッカー関連で雑誌『サッカー批評』(双葉社)、『フットボール批評』(カンゼン)などに寄稿。著書『サッカーと愛国』は、第27回(20
【外山恒一の「note」コンテンツ一覧】 〈全体の構成は「もくじ」参照〉 日本を代表する知識人・絓秀実氏との対談である。2015年3月3日におこなわれ、紙版『人民の敵』第7号に掲載された。 2020年4月現在、コロナ騒動の渦中で外山は〝不要不急の外出〟闘争を鋭意敢行中であり、読みにくいかもしれないが、今回は小見出しをつけたり一部太字化したりなどの編集をおこなう時間的余裕がない。 不要不急の用件など何らないにも関わらず頻繁に街へ繰り出すには、もちろん資金も必要なんで、自粛病ウイルスに感染して引きこもり中の諸君は、せめて外山のnoteコンテンツをどんどん購入して支援してほしい。アンチファとやらの諸君も、ファシズム勢力の頭目・外山をコロナに感染させて死に追いやるチャンスなわけだから、どんどん購入すべきだろう。 ( )内は紙版『人民の敵』掲載時にもともとあった註、[ ]内は今回入れた註である。他の
そろそろ左派は〈経済〉を語ろう――レフト3.0の政治経済学 作者:ブレイディ みかこ,松尾 匡,北田 暁大 亜紀書房 Amazon そもそもおれは経済を語れない。算数がわからないからだ。 blog.tinect.jp ただ、算数はわからなくても、政治や社会については、文系の読み物としていくらか読むことができる、ような気がする。おれもそろそろ「経済」についてなんらかの認識を持ちたいなと思っていた。いや、そろそろ、というより、ずっと、だ。 だけれども、おれは経済についてわからん。まったくわからん。たとえばだ、医療について信頼できそうなネット上のアカウント、という人はいる。食品の栄養と添加物について信頼できそうなネット上のアカウント、という人もいる。暴力とヤクザの話について信頼できそうなネット上のアカウント、という人もいる。が、経済についてはそれがいない。おれが全般的に信頼している人同士が、経済
緊急事態宣言が発令されてから早くも1ヶ月が経った。多くの人は、自粛に疲弊しながらも、感染を恐れて外出を控えているのではないだろうか。 そうした中、高円寺の路上で「独り酒闘争」なる闘争に打って出た人物がいた。あくまでも一人で飲酒をするだけだといい、決して集まったりしないようTwitterで呼びかけていた。 しかし5月1日~6日の1週間、高円寺南口には“偶然通りかかった”人々が押し寄せて連日のように乱痴気騒ぎになり、度々警官が出動する事態に。 感染の危険がある中、この宴会を首謀した人物、“革命家”を自称する外山恒一氏を直撃した。 まさかの路上宴会に警察も出動ーー何をやられているんですか! 外山恒一氏(以下、外山):何ですか、いきなり恐ろしい目でニラミつけて。 ーーだってそうでしょう。たしかに外山さんはこれまで、都知事選で原発推進の候補者をホメ殺したり、出馬してもいない選挙戦の最中に選挙カーまが
■紹介 華青闘告発(かせいとうこくはつ)は、日本の新左翼運動における出来事である。1970年7月7日に起きた出来事であるために、「7・7告発」とも呼ばれる。 「華青闘」とは華僑青年闘争委員会の略称である。同委員会は日本在住の華僑らが結成した組織である。 華青闘告発は、新左翼党派がマイノリティ運動に力を入れる契機であったとする主張がある。一方で、その見方を批判する指摘もある。 紹介作成* 山口 和紀 ■文献 ◆楠敏雄 19820715 『「障害者」解放とは何か――「障害者」として生きることと解放運動』,柘植書房,222p.,ISBN-10: 4806801895,ISBN-13:978-4806801894,1600,[amazon] ※/杉並369 ◆すが秀実 2006「1968年」,ちくま新書:193. ◆スガ 秀実 20061010 『1968年』,筑摩書房,ちくま新書,302p. I
はじめに 小林哲夫による『平成・令和 学生たちの社会運動 SEALDs、民青、過激派、独自グループ』という本が刊行された。 平成・令和 学生たちの社会運動 SEALDs、民青、過激派、独自グループ (光文社新書 1113) 作者:小林 哲夫光文社Amazon 「本書が次の世代が社会と向き合うときの資料として、のちに学者が社会学や政治学の観点から参考にできる記録集として、活用していただければ嬉しい。」(p.11) とある通り、2000年代後半の社会における学生の様々な運動を網羅的に記述した本である。 面白そうだったので読んでみたところ、ちょっとこれはどうなのかと疑問に思うところがあった。なので、二、三指摘したいと思う。 はじめに お前は誰だ&注意事項 事実誤認、端的に誤り、不足が認められる箇所 「要請するなら補償しろ!デモ」について 「アナキズム研究会」について 直接行動(学生ハンスト実)に
2023年2月17日に発売された批評家・片岡大右さんの新著『小山田圭吾の「いじめ」はいかにつくられたか』(集英社新書)は、その名の通り、2021年に起きたCornelius(コーネリアス)こと小山田圭吾さんの炎上事件を分析し、小山田さんを擁護するための本だ。 本書で片岡さんは、ネットや文献を厳密に読み込んでいくことで、当時、実際に何が起きていたのかを真摯に検証しようとしている。読めば、「いじめ事件」が不幸な行き違いによって起きた情報災害だったことが理解できるはずだ。だが、この記事で私が言及したいのはそこではない。 先に書いておくが、私はフリッパーズ・ギターやコーネリアスをそこそこ好んで聴いていて、炎上当時も小山田さんに同情的だった人間だ。過剰なネットの叩きには辟易していたし、彼を擁護する外山恒一さんの記事を読んで溜飲を下げていた。なのでもちろん、この本を読んだのも炎上の検証に興味があったか
制作とは、作品とは、展示とは「誰」のものなのか。学術運動家・逆卷しとねが毎回異なるゲストと共に、オリジナルなクリエイターという“古いフィクション”を乗り越え、「動く巨人」と共に行う制作という“新しいフィクション”の可能性を考察する対話篇。第一回となる序論では、港千尋氏の翻訳文盗用問題から、近代的な「作者性」を再考する。 港千尋氏の盗用問題を生んだ美術業界の「なれ合いの風土」 昨年10月に刊行されたAKI INOMATAさんの作品集『AKI INOMATA: Significant Otherness 生きものと私が出会うとき』(旧版、美術出版社、2019年)に、写真家であり美術評論家でもある港千尋さんが寄稿した文章が物議を醸した件を覚えていらっしゃるでしょうか。すでにお忘れの方も多いと思うのですが、同寄稿文において港さんは、科学史家であり、近年は共生の思考実践を大胆に展開しているダナ・ハラ
22年11月の書籍雑誌推定販売金額は915億円で、前年比4.2%減。 書籍は508億円で、同6.3%減。 雑誌は406億円で、同1.5%減。 雑誌の内訳は月刊誌が345億円で、同0.3%増、週刊誌は61億円で、同10.5%減。 返品率は書籍が34.7%、雑誌は40.4%で、月刊誌は39.3%、週刊誌は46.1%。 雑誌のマイナス幅の減少と月刊誌のプラスは、コミックスの『ONE PIECE』『HUNTER×HUNTER』『怪獣8号』(いずれも集英社)、『東京卍リベンジャーズ』(講談社)などの人気新刊が集中刊行されたことによっている。 週刊誌と同様で、月刊誌売上が改善したわけではない。 雑誌売上は新刊コミック次第という出版状況はこれからも続いていくだろう。 1.出版科学研究所による22年1月から11月にかけての出版物販売金額を示す。 ■2022年1月~11月 推定販売金額 月推定総販売金額書籍
コロナ禍で明らかになったものコロナ禍によって明らかになったのは、非常時においては良くも悪くも国家の機能が強くなる、ということで、まあそれ自体は、国家や政治の定義そのものだと思います。このとき、国家の強い権力の介入(そこには、移動の制限も含むし、補償も含む)に対し、どのようなスタンスを取るかという点は、言論人のなかでも立場が分かれたように思います。というか、これまでこのあたりの問題が微妙にスルーされてきたと個人的に思っており、それがあらためて議論の俎上に乗った、という印象です。いずれにせよ、古典的な議論だとは思います。そのうえで印象を言うと、「とは言え、国家を運営するための権力発動すらまともにされず、政権の目先の保身ばかりで動いているので、国家をめぐる議論にもなりにくい」という感じです。東浩紀氏と外山恒一氏がゲンロンで対談をおこなっていたけど、ふたりは国家介入には徹頭徹尾反対なので、「移動の
韻踏み夫(I) 伏見瞬(F) 吉田雅史(Y) I:本日は伏見瞬さんをSCRAPTという無名のnoteアカウントにお招きして対談を取らせていただけるということで、ありがとうございます。まず、このSCRAPTは、いま収録にも同席している吉田雅史と僕が日本語ラップ批評を気軽に書ける場を、ということで去年立ち上げたものです。更新頻度などお恥ずかしいもので、現状われわれ二人が思いついたときに文章をアップしているだけですが、本当は原稿持ち込みとか待ってるぜと思っているし、いろんな人を巻き込めたらいいねとは話していました。それでようやく、はじめてゲストを呼べる、それもいま「てけしゅん音楽情報」が方々で話題の伏見瞬さんにきていただけるというので、大変うれしく思います。それで、なぜ伏見さんが来ていただけることになったかというきっかけを話しておくと、伏見さんがツイートをしてくれていたんですよね。 F:そうそう
【外山恒一の「note」コンテンツ一覧】 外山恒一賞主に反体制的な右翼運動、左翼運動、前衛芸術運動などの諸分野から、「いま最も注目すべき活動家(もしくはグループ)」を、外山恒一が独断で選んで一方的に授与する。辞退はできない。 外山恒一のファシストとしての再臨(2004年5月5日・ファシズムへの獄中転向を経て福岡刑務所を満期出所)を記念して、2011年より毎年5月5日に受賞者の発表をおこなう。 授賞は、外山恒一が受賞者の活動に「全面的に賛同している」ことを意味するものではなく、あくまで「いま最も注目している」ことを意味するものである。多くの場合、授賞は好意的評価の表明であるが、時にはイヤガラセである場合もありうる。 外山恒一が創設した革命党「我々団」の公然党員は授与の対象とならない。 賞状・賞金・賞品はない。「外山恒一と我々団」や「我々少数派」などの外山恒一関連サイトで授賞が発表されるだけで
民主主義の根幹を成す選挙制度。国会でも、改革や見直しをめぐり激論が交わされている。昨年の兵庫県知事選では、SNSの運用方法について真偽不明の情報が拡散し、誹謗中傷などが問題になった。また立候補者が乱立した都知事選では選挙ポスターで、裸の写真や広告利用が問題視された。さらには売名行為や営利目的での立候補、立候補者が他の候補を応援する、いわゆる「2馬力選挙」も物議を醸し、これには石破茂総理も「どう考えてもおかしい」と発言している。 【映像】「私が当選したら、やつらはビビる!私もビビる」衝撃の政見放送 「ABEMA Prime」では、2007年の都知事選で、今なお語り継がれる政見放送で注目された政治活動家・革命家の外山恒一氏、政治制度改革を進める日本維新の会・池下卓衆議院議員とともに、日本の選挙制度の問題点と、理想の形を考えた。 公職選挙法では第225・252条「選挙の自由妨害罪」に、演説を妨害
学術運動家・逆卷しとねが毎回異なるゲストと共に、オリジナルなクリエイターという“古いフィクション”を乗り越え、「動く巨人」と共に行う制作という“新しいフィクション”の可能性を考察する対話篇。三人目のゲストは政治活動家にして、2021年2月末に初個展を控えている革命的“芸術”家・外山恒一。 <<#01 序論「巨人と/をつくる──涯てしない“わたしたち”の物語」 <<#02 不純なれ、異種混淆の怪物よ──大小島真木は《あいだ》をドローする <<#03 革命はこの〈せせこましい身体〉から始まる──長谷川愛と「あいみょん革命」の20XX <<#05 BUMMING AROUND UNIDENTIFIED LANDSCAPES──宮川敬一はどこの馬の骨かわからない「風景」を放浪する INTRODUCTION ──「鍋と謀りごと」 2020年9月東京。革命家・長谷川愛さんとの対談中、僕が愛さんの肩書は
ぼくはNAMには入らなかった。それどころか、90年代の急速に政治化する(政治に回帰する)柄谷さん全体に批判的だった。ただ運動はずっと横目で見ていたし、その経験はゲンロン立ち上げの起点になっている。だからNAMの「失敗」を柄谷さんがどう捉えているのか、自分のこととして興味がある。 — 東浩紀 Hiroki Azuma (@hazuma) October 3, 2014 私が、友人たちとともにNAMという一つのアソシエーショニスト運動の組織を発足させたのは二〇〇〇年のことである。(中略)しかし、もろもろの事情から、このNAMは二〇〇二年の一二月をもって解散となった。(中略)NAM開始以降の私の著作はすべて、アソシエーショニスト運動と深い関わりがある。その意味で、私はこの二〇年間、NAMについて考え続けてきた、ともいえる。(柄谷行人『ニュー・アソシエーショニスト宣言』序文) 二〇二一年二月四日、
〇はじめに 先日(11月24日)、人民新聞の新事務所にて「2000年代の運動を徹底議論!」という読者会イベントがあった。これは20代の編集部員(私)と40代の編集部員が、『平成転向論』や『悪口論』の著者で知られる批評家の小峰ひずみ氏をゲストに呼んで、2000年代から現在の社会運動について話し合うという趣旨のものであった。 【あと一週間…!!!】#小峰ひずみ さんと弊誌編集部員二人の討論会! 私たちの運動は何を勝ち得たか、何を成し得なかったか、これからの混沌の時代をどう闘い生き抜けばいいのか…。 この四半世紀を振り返りつつ展望を語り合います。ぜひご参加ください! ✴︎2024年11月24日(日)14:00〜✴︎ pic.twitter.com/4Vo4OPglVv — People's News(人民新聞) (@jimminshimbun) 2024年11月17日 この「2000年代」という
都知事選のポスター問題について、実効性があり、なおかつ選挙の自由を脅かさない規制にはどんなものがありうるだろうか。 そもそも何が問題なのか当選する気がないのに立候補すること→✕。これは問題にすべきではない。たとえば申込み段階での支持率◯◯%以上みたいなのを基準に「いや、お前は当選できんだろ……」という候補を弾くとしたら、それは泡沫候補の立候補の自由が妨げられるし(下手すると共産党みたいな国政政党ですら候補を擁立できなくなる)、巧みな選挙キャンペーンや有力候補の失言によって選挙期間中に支持率が急上昇する可能性も否定することになるので、じゃあそもそも選挙期間を設ける意味ってあるんですかっていう話になる。だいたい、当選できる見込みがないのに自分のアジェンダをアピールするために立候補すること自体はアメリカ大統領選でもあることなわけで……(今年のニッキー・ヘイリーはまさにそういう候補だった)過激な選
噂あり、未確認情報ありのやじうまWatch。 リンク先の記事などがすでに消失していることもありますが、あらかじめご了承ください。 【2007/04/11】 ■ ネットで超高速普及中……「べつやくメソッド」と「Twitter」 ネットでは今、「べつやくメソッド」が大流行中だ。きっかけは、毎年恒例のエイプリルフール企画「イソプレスうぉっち」のウソ記事。べつやくれいさんが「デイリーポータルZ」で書いたグラフのネタに、感想のビジュアル化手法として「べつやくメソッド」と名前を付けたところ、多くのクリエーターの心をとらえてしまったのだ。「べつやくメソッドクリエーター」をはじめ、簡単にべつやく風の円グラフが作れるツールがここ数日で大量に登場している。まとめが「ZAPAブロ~グ2.0」にある。さて、日本では9日頃から「Twitter」なるWebサービスが急速に普及中だ。今何をしているのかを1行で書くと、友
【外山恒一の「note」コンテンツ一覧】 ※当記事はもともと有料記事でしたが、スポンサーがついたので無料公開に切り替えます。「多くの人に読ませたい良い記事なので、私が丸ごと高額で買い上げるから、無料公開としてほしい」という奇特な方が現れたわけです。すでに有料で買ったという方には心苦しいんですが……。 2015年12月30日におこなわれた熊本市の結婚式場経営者・有川理(ありかわ・おさむ)氏へのインタビューである。紙版『人民の敵』第16号に掲載された。 フランスの学者をまねてフランスの獄を論じる日本の学者 私が02年〜04年の獄中生活中に詠んだ108首の短歌のうちの1首である。短歌としての出来はまあ、108首中でもあまり良くないほうで、単に“云いたいことを五七五七七に収めてみました”というものでしかないが、含意は、要するに日本のアカデミシャンの“単なる輸入業者”ぶりへの批判である。欧米のススん
JNKMNが麻薬特例法で逮捕された。ツイッターの投稿が「あおり、唆し」に当たるという。理解不能である。そもそも「あおり、唆し」ごときで逮捕可能な法ができたこと自体を問わねばならない。こんな法律は即廃止されるべきである。反体制運動を「あおり、唆し」したら逮捕が可能な社会がどんなものかを考えてみるだけでよい。YZERRにはそれを言う権利があると思うが、「大麻吸えないくらいでFuck The Policeなんて歌わねえ」というのは一般化してはならず、やはり基本姿勢としては「ファック・ザ・ポリス」という原則を保持すべきであることが、今回の件でも再確認されたと言えよう。 そもそも、アメリカの黒人と違って平和な日本は〜といった理屈は、(ポリコレ的思考に対して)百歩譲って、少なくとも対国家権力というときには採用すべきでないだろう。そうした理屈は、日本にも存在している権力関係を隠蔽し、抵抗を抑圧する口実に
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く