アニメ映画「この世界の片隅に」監督 片渕須直さん 61歳 1941年12月8日(日本時間)、日本は米ハワイの真珠湾を奇襲攻撃した。太平洋戦争に突入した日からまもなく80年。当時を知る人の多くが既に他界し、存命者も少なくなっている。「うかうかしていると、あの戦争を理解するための『つかみどころ』をどこにも求められなくなってしまうんじゃないか」。戦時下の市井の暮らしを描いた映画「この世界の片隅に」で監督を務めた片渕須直さん(61)を訪ねると、こんな言葉が返ってきた。 「僕が小学生だった頃は真珠湾攻撃から30年ぐらいかな。『あの先生、航空母艦赤城(あかぎ)に乗っていたらしい』といった話を友達とするような時代だったんですよ。ああいう先生もみんな亡くなっちゃったんだろうなと思うと、ずっと遠くまで来たなと感じますね」。東京都内の製作スタジオで取材に応じた片渕さん、神妙な面持ちである。 赤城とは真珠湾攻撃