小学校低学年の児童は、論理的な思考が未発達なので、New Math時代に行われたように集合概念を使って、理論的に説明しても、演算や式のような抽象的なものを理解できない。 では、筆算のやり方のような手続きだけを教えれば、たしかに、できるようにはなるが、何をしているのかが本人にはわからないままとなり、計算ミスをしても、ミスであることに気づきにくくなる。心のなかにピザを切り分けるイメージをもっていないと、1/2+1/3 が1(丸1枚)を越えないことがわからない(注1)。また、計算の意味を教えないと、文章題ができなくなり(注2)、したがってまた、数学を生活や仕事に数学を応用する力がつかない。 だから、算数教育では、式のような抽象的なものを、子どもにも馴染みの日常的な具体的状況のタイプにあえて【強力に】関係づけて、教えるのである。状況タイプを表すお話し(ストーリー)や絵、ブロックの操作などに関係づけ