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  • 「お前、甘えるなよ」都成竜馬が“最後の三段リーグ”の直前にかけられたドキッとする言葉 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

    将棋界における師匠と弟子の関係性が注目を集めている。スポットライトが当たったのは、のちに将棋ペンクラブ大賞(文芸部門)を受賞した『師弟~棋士たち 魂の伝承~』(野澤亘伸著/光文社)の存在が大きかっただろうか。 現在、ABEMA将棋チャンネルでは「第1回ABEMA師弟トーナメント」が放送されている。そこで、同トーナメントにも出場している谷川浩司九段と都成竜馬七段について、『師弟』から一部を抜粋して紹介する。(#1から続く) 「あの頃の自分に会ったら、叱ってやりたいです」 小学5年生で全国小学生名人戦で優勝した都成竜馬は、同年に谷川浩司九段に弟子入りした。永世名人資格保持者の谷川にとって、初めての弟子であり、都成は入会時から注目を浴びる。「谷川門下って、やっぱり凄いことなんだ」。子ども心にも、それは誇りだった。だが奨励会では思うように勝てない時期が続く。

      「お前、甘えるなよ」都成竜馬が“最後の三段リーグ”の直前にかけられたドキッとする言葉 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
    • 藤井聡太二冠が「史上最年少九段」に そもそも、将棋界では「九段」とはどんなポジションか | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

      第92期ヒューリック杯棋聖戦で藤井聡太棋聖が挑戦者の渡辺明名人を下し、棋聖位を防衛した。史上最年少でのタイトル防衛を果たすとともに、藤井の通算獲得タイトル数は3期目となり、規定により九段昇段も決まった。18歳11ヵ月での九段昇段は、こちらも渡辺の21歳7ヵ月を大幅に更新する史上最年少記録である。 プロ棋士の段級位は四段から始まり、最高位が九段となる。藤井は段位でも高みに上り詰めたわけだが、そもそも将棋界における「九段」とはどのような立ち位置なのか。その歴史から追っていきたい。

        藤井聡太二冠が「史上最年少九段」に そもそも、将棋界では「九段」とはどんなポジションか | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
      • 挑戦者・藤井聡太は「羽生善治の得意技」までもマスターしたのではないか《最年少名人に向けて大きな1勝》 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

        渡辺明名人が名人4連覇なるか、藤井聡太竜王が史上最年少名人、かつ史上最年少七冠なるか――。 第81期名人戦七番勝負第1局が、4月5・6日に目白のホテル椿山荘東京で行われた。 振り駒で先手になった渡辺が凝った作戦を見せた。角換わりの出だしから角道を止め、雁木と矢倉の両天秤に掛けたのだ。だが藤井も考えることなく指し手を進め、12手目に端歩を突き、さらに桂を跳ねて急戦を匂わせる。渡辺はそれに備えて銀を上がるが、藤井の応手を見て雁木にする。明らかに事前に準備している手順だ。

          挑戦者・藤井聡太は「羽生善治の得意技」までもマスターしたのではないか《最年少名人に向けて大きな1勝》 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
        • 奨励会受験は不合格、将棋の「エリート」ではなかった。それでも、小山怜央さんがプロに勝ち越した理由とは | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

          小山怜央(こやま・れお) 1993年7月2日岩手県釜石市生まれ。岩手県立釜石高校、岩手県立大学ソフトウェア情報学部卒。2010年朝日アマチュア名人戦全国大会でベスト8に入り17歳でプロ公式戦初出場。2015年アマ名人戦優勝、2016年アマ王将位優勝など6大アマタイトルのうち5つで優勝経験がある。アマ大会の上位者に与えられるプロ公式戦出場経験14回。通算成績13勝13敗。2022年9月にもっとも良いところから見て10勝以上かつ勝率6割5分以上という棋士編入試験受験資格を獲得し、11月28日から月に1局ずつ受験予定。 ◆ ◆ ◆ 小2で将棋と出会い、ネット対局に夢中に 「時間があったから将棋を指したんです。避難所ではそんなにすることもなかったし、指していると落ち着くから」 2011年の東日本大震災で岩手県釜石市の海沿いにあった自宅を津波で流され、数カ月にわたる避難所暮らしを経験した高校生の小山

            奨励会受験は不合格、将棋の「エリート」ではなかった。それでも、小山怜央さんがプロに勝ち越した理由とは | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
          • 中学生名人戦優勝 期待のルーキー・野原未蘭を成長させた藤井聡太のアドバイスとは | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

            9月に注目の女流棋士がデビューした。富山県在住、現役最年少の17歳、高校2年生の野原未蘭女流2級だ。男女混合の中学生名人戦で優勝、男性トップアマが集まる朝日アマ名人戦全国大会で勝ち星、もっとも伝統のある女性大会・女流アマ名人戦では3連覇と「女性初」「史上初」のアマチュア大会実績をいくつも持つ。大器と期待され、英春(えいしゅん)流という珍しい戦法を指しこなすことでも知られている。 インタビュー前半では、将棋を始めた頃や、強くなりたいと思う原動力になった同じ歳の男の子の話、英春流を覚えたいきさつ、女流アマ名人になった「特典」の1つとして機会に恵まれた同世代の藤井聡太二冠との1対1の角落ち対局のことなどを聞いてみた。(全2回の1回目、#2へ続く) 父がわざと負けていたことが分からず……「将棋って面白い」 ――まずは、「未蘭」という華やかなお名前の由来について教えて下さい。 野原 由来はよく聞かれ

              中学生名人戦優勝 期待のルーキー・野原未蘭を成長させた藤井聡太のアドバイスとは | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
            • 「もう将棋は嫌だ!」小4で道場をやめた“西山朋佳少女”が里見香奈六冠と初めて戦った日 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

              将棋で「女王」といえば、7つある女流タイトルのひとつを意味する。保持するのは西山朋佳。彼女は現役奨励会三段で唯一の女性で、また慶応大SFCに在籍する才女だ(現在は休学中)。 西山女王は秋に開幕した第41期霧島酒造杯女流王将戦三番勝負、第9期リコー杯女流王座戦五番勝負に挑戦中で、里見香奈女流六冠(清麗・女流王座・女流名人・女流王位・女流王将・倉敷藤花)と「八番勝負」を戦っている。里見のタイトル獲得・防衛の勝率は8割6分あるものの、西山には今年春の第12期マイナビ女子オープン五番勝負で敗退した。もし里見が女王を奪取していれば、今年9月に成し遂げた史上初の女流六冠は、七冠独占になっていた。 八番勝負は折り返し点を迎え、女流王将戦は最終局の第3局が11月1日に行われる。女流王座戦は今月30日に開幕し、西山が制した。

                「もう将棋は嫌だ!」小4で道場をやめた“西山朋佳少女”が里見香奈六冠と初めて戦った日 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
              • 「情熱を持ち続けるのは難しい」棋士を目指す奨励会で感じた”プロになれる人との差” | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                奨励会には入会試験にも年齢制限がある。大半が入会する6級の場合、15歳までしか受験できない。16歳は5級、17歳は4級、18歳は3級、19歳は1級での受験とハードルが上がっていく。1986年10月生まれの知花さんは、2005年8月の奨励会試験の時点では18歳10か月。2か月早く生まれていたら19歳で1級を受けなければならず、ギリギリのタイミングでの3級受験だった。 1次試験では受験者同士が対局を行い、当時は2日で6戦。4勝すれば通過。2次試験が現役奨励会員との対局で、1日3戦のうち1勝すれば合格だった。 (前後編の後編/前編を読む) ◆ ◆ ◆ 18歳での奨励会受験「合格の自信はあった」 ――奨励会受験は6級受験者が大半で、3級受験の知花さんが駒を落とす対局もあったと思います。対策など大変ではなかったですか? 知花 1次試験に角落ちはなかったと思います。香落ちはあったかな。対策は全然せず、

                  「情熱を持ち続けるのは難しい」棋士を目指す奨励会で感じた”プロになれる人との差” | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
                • 両親がともに棋士ってどんな家庭? 「父とは指したことがない」という塚田恵梨花女流初段に聞いてみた | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                  「将棋界で唯一の存在」 こういったフレーズからは、永世七冠の羽生善治九段や、デビューから29連勝という記録を打ち立てた藤井聡太七段の名前が思い浮かぶ人が多いだろう。 しかし、今21歳の可憐という表現がまだ似合う女流棋士・塚田恵梨花女流初段も、将棋界唯一の存在のひとりである。 彼女の父は塚田泰明九段。そして母は、高群佐知子女流四段。兄弟や姉妹、父や母のどちらかが棋士という関係性は複数いるが、両親ともに棋士というルーツを持つのは、歴史をさかのぼっても彼女以外にはいない。 棋士の両親の間でどのように将棋を始めたのか。ひとつ屋根の下に現役棋士が3人もいる家庭は、どういった環境なのか。その生い立ちから、今の生活ぶり、将棋にかける思いなどを聞いてみた。 負けがとても悔しくて「強くなりたい」 ――まず、将棋を始めたきっかけから教えてください。 塚田 ルールを覚えたのは、小学1年生のときです。母から教えて

                    両親がともに棋士ってどんな家庭? 「父とは指したことがない」という塚田恵梨花女流初段に聞いてみた | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
                  • 「藤井聡太さんはよく考える人でしたね…」木村一基九段49歳が“浮き沈み”を経て、ふたたび立ち上がるまで | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                    プロ棋士がシビアにランク付けされるのが順位戦だ。新たに始まる第82期順位戦でB級1組の12位にノミネートされているのが木村一基九段(49)である。 木村が悲願の初タイトルである王位を獲ったのが2019年。さらなる栄光への道を進むかとも思えたが、そこに立ちはだかったのが新世代の王者、藤井聡太だった。虎の子のタイトルをわずか1年で明け渡し、さらには順位戦でもA級からB級1組、さらにはB級2組へ落ちる屈辱も味わった。 だが、木村はあきらめない。2021年にはまたもタイトル戦の舞台に立ち、さらには知命を迎える年に「鬼の棲家」へ再び舞い戻ってきた。「不撓不屈」の精神に迫ってみたい。 まさか本当に来るとは…とんでもない誕生日プレゼントとは ――文春オンラインで木村九段にお話をうかがうのは、2019年に王位を取られた直前以来の2度目となります。まず、王位を獲得されてから、現在に至るまではどのようにお考え

                      「藤井聡太さんはよく考える人でしたね…」木村一基九段49歳が“浮き沈み”を経て、ふたたび立ち上がるまで | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
                    • まさに百折不撓 棋士と記者が見た“将棋の強いおじさん”木村一基新王位46歳の素顔 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                      これほど「悲願」という言葉がふさわしい状況もないだろう。9月26日、プロ棋士の木村一基九段が第60期王位戦七番勝負第7局で豊島将之王位を破り、自身の初タイトルとなる王位を獲得した。46歳3ヵ月での初タイトル獲得は、これまでの最年長記録だった有吉道夫九段の37歳6ヵ月を大幅に上回る記録である。 うつむいて涙をこらえるように見える姿も

                        まさに百折不撓 棋士と記者が見た“将棋の強いおじさん”木村一基新王位46歳の素顔 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
                      • 「教え魔おじさんは立ち入り禁止」「余計なお節介から守りたい」女性への将棋普及にあたって気を付けていること | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                        姉と一緒だから将棋を続けられた ――少し前ですが、2018年に蛸島先生が引退されたときの「女流棋士第一号蛸島彰子さんの歩みを語り感謝する会」には、日本将棋連盟からも棋士そして20人以上の女流棋士が参加されましたね。あれを見て、ずいぶん和解が進んだのだなと思いました。 中倉 蛸島先生の人徳でたくさんの方が集まってくださいました。当時将棋連盟の女流棋士会会長の久美さん(山田女流四段)とお話ししたところ、「(連盟の女流棋士の)みんなを連れて行きますから」と言ってくれました。キャリアの長い女流棋士は、みな蛸島さんのお世話になったことがあるわけで。おかげで華やかな会になりました。 ――今年、蛸島女流六段の本「駒我心 初代女流名人 蛸島彰子の歩み」をクラウドファンディングにより発行しました。私もお手伝いしたのですが、蛸島先生の歩みはもちろん、1974年に女流棋士制度(当時は女流棋士という名称ではなかっ

                          「教え魔おじさんは立ち入り禁止」「余計なお節介から守りたい」女性への将棋普及にあたって気を付けていること | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
                        • 「彼は自分より2年くらい早い感じ」渡辺明棋聖が語っていた“藤井聡太七段、本当の実力” | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                          藤井聡太七段が8日に開幕する「第91期棋聖戦五番勝負」で、タイトル挑戦の史上最年少記録を更新する。迎え撃つのは渡辺明棋聖(棋王・王将と合わせて三冠)だ。 その渡辺棋聖が2年前に“惜しくも実現しなかった直接対決”について語ったインタビューを特別に公開する(『天才 藤井聡太』〔文春文庫〕より)。※肩書・段位・年齢などは当時のもの。 聞き手=北野新太 ※インタビューは2018年9月中旬に行われたものです。 ◆◆◆ 「藤井君は通常の棋士の倍のスピードで頭を回転させている」 朗らかな表情を浮かべ、いつものように明快な語り口を披露しながらも、渡辺明棋王は痛感していた。藤井聡太の「速さ」を。 「通常の棋士の倍くらいのスピードで頭を回転させて、倍くらいの手を読んでいる印象がありました」 2018年9月に放送された非公式戦「AbemaTVトーナメント」決勝戦。1年前の夏に連勝記録を止められた因縁のある佐々木

                            「彼は自分より2年くらい早い感じ」渡辺明棋聖が語っていた“藤井聡太七段、本当の実力” | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
                          • 藤井聡太棋聖には「羽生世代」に相当するライバルは存在するのか | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                            観戦記者・中継記者が感じる「藤井聡太のすごさ」。後編となる本稿では、初タイトルを手にした藤井聡太棋聖は今後どうなるのか、相崎修司、君島俊介、小島渉の記者三氏に現在地に対する感想とともに聞いていこう。 (前編を読む) 「いつの間にか」というのが怖い ――いよいよ史上最年少のタイトルホルダー、藤井聡太棋聖が誕生しました。歴史的な一局となったヒューリック杯棋聖戦第4局は、どうご覧になりましたか。 君島俊介 第4局では、渡辺明棋聖が第2局で敗れた作戦を改良してきました。かなり複雑な応酬が続き、渡辺棋聖も十分戦える展開だったはずですが、いつの間にか藤井七段が有利になっていました。「いつの間にか」というのが怖いです。投了の局面を見ると藤井七段が渡辺棋聖の玉を左右から挟み撃ちにして、教科書通りの攻めなのですが、その過程はかなりマネしにくいものだと感じます。 相崎修司 あの将棋を勝つのは、やはり「持ってい

                              藤井聡太棋聖には「羽生世代」に相当するライバルは存在するのか | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
                            • 「せめて高校生になってから…」藤井聡太七段を迎え撃つ渡辺明棋聖が3年前に予言していたこと | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                              藤井聡太七段が8日に開幕する「第91期棋聖戦五番勝負」で、タイトル挑戦の史上最年少記録を更新する。迎え撃つのは渡辺明棋聖(棋王・王将と合わせて三冠)だ。 その渡辺棋聖が“29連勝後の藤井聡太”について語った“3年前の”インタビューを特別に公開する(『天才 藤井聡太』〔文春文庫〕より)。渡辺棋聖の当時の予言が見事に的中していたこととは――。※肩書・段位・年齢などは当時のもの。 聞き手=北野新太 ※インタビューは2017年7月中旬に行われたものです。 ◆◆◆ 「高卒で3割30本を超えるレベル」 将棋の神様は極端に早熟を好む。 史上最年少棋士・藤井聡太四段の29連勝は、語り継がれてきた真実を劇的に証明する出来事だった。 渡辺明は言う。 「天才という言葉を使わないで藤井君について説明するのは難しいと思います。いちばん若くして棋士になって、勝ちっぷりが普通じゃない。大棋士になる条件は当然満たしていま

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                              • 「師匠になんと伝えたいですか?」先輩プロ棋士の涙腺を緩ませた藤井聡太新名人の答えとは | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                                渡辺明名人に藤井聡太竜王が挑戦する第81期名人戦七番勝負第5局。5月31日~6月1日にかけて、長野県上高井郡高山村「緑霞山宿 藤井荘」にて行われた歴史的な一戦を現地からレポートする。 対局2日目の午後、渡辺が再び考えこむ。86分の大長考に続きまた長考とは変調のあかしだ。藤井が席を立つと、渡辺の頭が下がってうなだれた。対局態度と時間の使い方が、逆転したことを告げている。色めき立つ控室。 渡辺は47分の長考で成桂で桂を取り、藤井玉を下段に落とす。 攻めをつなぐ名手の攻めが切れた だが、危険に見える藤井玉も、いざ寄せるとなると手段が見当たらない。控室では戸辺誠七段と高見泰地七段という、攻めに長けた2人が一所懸命知恵を絞っているが攻めきれない。この手はどうか? いやこの角が利いている。じゃあこの手は? いやこっちの角が利いている。検討ではこんな会話の繰り返し。6段目に並んだ2枚の角の利きが、蜘蛛の

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                                • 「一転して、すごい攻め将棋で…」人気漫画家の心をつかんだ女流棋士の“ギャップ”とは | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                                  自分の将棋になると皆すごい攻め将棋で… ――題材に「女流棋士」を選んだ理由を教えてください。 くずしろ ニコニコで将棋中継見ていて、そこから将棋に興味を持ちました。 その放送の中でタイトル戦の聞き手をされていた女流棋士の方に注目して、彼女たちの将棋にも興味が出てきたのがきっかけですね。ただ、なかなか女流の棋戦は中継がなくて……。でもそれで余計興味が湧きました。 ――「女流将棋」の魅力はどこにあると思いますか? くずしろ ギャップにとても魅力を感じます。女流棋士の方たちは、男性棋戦の聞き手をやったり、補佐的なイメージがあります。普及にも尽力していて、とても将棋界を盛り上げる活躍をされています。 それなのに、一転、自分の将棋になると皆すごい攻め将棋で、そのギャップが好きですね。 5月30日に発売された『永世乙女の戦い方』7巻 作品を面白くするためには大胆に嘘をつく ――監修の香川愛生女流四段と

                                    「一転して、すごい攻め将棋で…」人気漫画家の心をつかんだ女流棋士の“ギャップ”とは | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
                                  • 「可愛ければそれでいいの!」14歳でプロ入りした女流棋士が“勝負の世界”になじめなかった理由 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                                    引退は公式戦を戦わなくなるもので、女流棋士の肩書は変わらない。女流棋士の引退には、成績の低迷による強制的なものと、自らの意志によるものと両方があり、自ら現役引退の道を選んだ女流棋士はこれまでに何人もいる。とはいえ、高橋女流三段の場合は、まだ20代の若さで、成績が下がってきたわけでもなかった。ファンからも「なぜ?」「寂しい」との声が多く上がった。 ◆ ◆ ◆ 教えることのほうが天職ではないか思った 引退は何年も考えていたことで、教えるプロとしてやっていこうと進む道を決めていたので、自分としては突然ではありませんでした。女流棋士は、対局料だけで食べていくのは難しく、私も指導対局をしたり、イベントに出たり、対局以外の仕事をたくさんしていました。その中で「子どもに将棋を教える仕事」に出会い、教えることのほうが天職ではないか思ったのです。 タイトルを目指し努力を重ねるのが、私が思う現役のプロのあるべ

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                                    • 「絶対にやばい一番になる」14歳藤井聡太がプロになった対局、敗れた西山朋佳三段の本音とは | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                                      ◆ ◆ ◆ 「早い」「早すぎるね」女流棋戦での戸惑い ――2014年4月から関東奨励会に移籍し、慶應義塾大学に通う生活が始まります。8月に第4期リコー杯女流王座戦で五番勝負登場を決め、9月に二段に昇段と、充実した日々だったことがうかがえます。 2011年から奨励会員の立場で女流棋戦に出場し、年々、上位に勝ち残ることが増えていくと、中継で将棋ファンに注目されます。そのなかで、同じ将棋を指すのでも、普段の奨励会の例会とは違うこともありましたか。 西山 女流棋戦に出させていただいて、最初のほうは戸惑いもありました。奨励会だと多いですけど、私も早指しのスタイルだったんですよね。女流棋戦でも同じようなペースで指していたら、「早い」「早すぎるね」とか、たくさんの人に色々といわれました。 ――それは感心する声もあれば、「もっと考えないとだめだよ」ってことですか。 西山 ええ。(持ち時間が各3時間の棋戦で

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                                      • 「書くのは苦しいですよ。でも…」将棋のプロである棋士・女流棋士が“観戦記”を書く理由とは | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                                        第34回将棋ペンクラブ大賞観戦記部門において、藤井奈々女流初段が執筆した《第34期竜王戦七番勝負第3局 藤井聡太―豊島将之(読売新聞)》が優秀賞を受賞した。藤井女流初段は、1998年生まれの24歳。まだ20代前半の女流棋士が、ベテラン執筆陣が多い観戦記部門で受賞するのは前例のないことだ。 そんな藤井女流初段、そして20年以上にわたって棋士の立場から観戦記を執筆している勝又清和七段に、観戦記者の仕事ぶりや観戦記のあり方を聞いていきたい。 「(藤井女流初段は)娘と同じ歳なんですよ」と笑う勝又七段。「藤井さんと私の観戦記の棋風は、居飛車と振り飛車くらいちがう」というお二人に、まずは「観戦記とはどういうものか」から教えていただこう。 観戦記は、決められた分量で書かなくてはいけない ――まず、将棋の「観戦記」とは、どういうものか教えていただけますか。 勝又 これは将棋の歴史とも関係してきますが、将棋

                                          「書くのは苦しいですよ。でも…」将棋のプロである棋士・女流棋士が“観戦記”を書く理由とは | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
                                        • 史上初の“女性棋士”誕生なるか? 西山朋佳が三段リーグについて語ったこと | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                                          将棋のプロは棋士、女流棋士がいて、棋戦もそれぞれ分かれている。棋士を目指すのは男女ともに可能で、奨励会を抜けるかプロ編入試験を受けないといけない。一方、女流棋士は研修会(アマ初段~五段が在籍する機関)で規定のランクに達する、奨励会を退会して編入、アマチュア代表として女流棋戦に出場して好成績を残すルートがある。 西山は女流棋士ではなく、奨励会員の立場で一部の女流棋戦に出場している。現在は女王、女流王座、女流王将のタイトルを持つ。 「女に負けるなんて恥だ」という世界 女性が奨励会に初めて入ったのは1961年。男社会で修業した時代を、初の女性奨励会員・蛸島彰子現女流六段はインタビューで次のように振り返っている。 <絶対に女には負けられない、女に負けるなんて恥だ、と思っている。ずっと後で知ったんですが、私に負けたら丸坊主になる、罰金を払う、というルールを男の子たちは作っていたんだそうです> <私も

                                            史上初の“女性棋士”誕生なるか? 西山朋佳が三段リーグについて語ったこと | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
                                          • “将棋大好き”書店員は、藤井聡太二冠の活躍と「将棋ブーム」をどう感じているのか | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                                            将棋ブームの波は、書店にもきている。 記憶に新しいところでは、創刊40年目にして初めて将棋をテーマにした『Number』1010号の「藤井聡太と将棋の天才」である。雑誌発売後に3度の増刷を行い、累計部数は当初の11万5千部の2倍となる23万部。これはサッカーW杯ドイツ大会直後の660号「オシムの全貌」(2006年8月24日発売)以来の大ヒットであるという。 この一因となったのは、同誌のカバーを飾っている藤井聡太二冠のタイトル獲得であることは明らかだろう。連日、ワイドショーでも将棋が特集され、王将戦リーグで藤井聡太二冠が羽生善治九段に敗れると、それを伝える速報テロップがテレビ画面に流れた。 このように世間から大いに注目されている将棋であるが、長年、棋書や関連書を揃えてきた書店では、今のブームをどのように感じているのだろうか。 日本屈指の将棋本の品揃えで知られるジュンク堂書店池袋本店の将棋棚を

                                              “将棋大好き”書店員は、藤井聡太二冠の活躍と「将棋ブーム」をどう感じているのか | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
                                            • 藤井聡太二冠に勝った最年長棋士は「急に心拍数が上がって、まったく手が見えなくなった」 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                                              「それだけは、なんとか死守したいなと(笑)」 井上慶太九段に「藤井聡太二冠に勝った最年長棋士」という話題を向けると、こう語ってくださった。その楽しそうな笑顔が実に素敵でとても印象に残っている。 井上慶太九段。1964年兵庫県芦屋市生まれ。先日、将棋モバイルアプリの「棋譜コメント」にも《50代でB級2組以上を戦っているのは14人。谷川浩司九段、中村修九段についで3番目の年長者になる》とあったが、将棋界を代表するベテラン実力者のひとりである。軽妙な解説も大人気であり、関西では多数の弟子の指導にあたる「名伯楽」としても知られている。 本稿では、井上慶太九段に語っていただいた思い出深い対局のこと、そして稲葉陽八段や菅井竜也八段など、今でも棋界のトップの実力を誇る弟子との幼少期からの思い出話などをご紹介したい。まずは、藤井聡太二冠との対局の話から始めよう。 藤井聡太“六段”に勝った唯一の棋士 井上慶

                                                藤井聡太二冠に勝った最年長棋士は「急に心拍数が上がって、まったく手が見えなくなった」 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
                                              • 慶応大休学し将棋専念 西山朋佳女王が語る「プロ棋士への“壁”と里見さんのこと」 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                                                西山 関西は地方からくる人が多いからか、ネット将棋ばっかりの人がたくさんいました。でも関東だと少数派で、ほとんどの人が研究会をやっているイメージです。だから、いまギャップに困るんですよね。自分は『将棋倶楽部24』(ネット将棋の対戦サイト)ばっかりやっていましたけど、いまは棋士の棋譜を見て、棋風を知っておかないといけないですから。 研究会は段級の近い奨励会員同士で始めて、そのうち色々なところにお呼びいただいて、棋士の先生にも教わりました。 ――ネット将棋と研究会、何が違うんでしょうか。 西山 ネット将棋より、研究会のほうが実際の対局に近いですね。相手の息遣いや雰囲気で、色々と考えるんですよ。例えば、ネット対局だと自分の意見しかわからないから、自分が「優勢」だと思ったら「優勢」でいいんです。でも、盤で向かい合うと、自分がいいなと思っても、相手の表情や様子で向こうも自信ありそうなのがわかるんです

                                                  慶応大休学し将棋専念 西山朋佳女王が語る「プロ棋士への“壁”と里見さんのこと」 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
                                                • 「藤井さんに敵わないと思うようじゃ覚悟が足らない」八冠制覇への“最後の壁”となる永瀬拓矢王座が掲げる「最終的な目標」とは | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                                                  永瀬拓矢 1992年9月5日、神奈川県生まれ。2004年、安恵照剛八段門下として奨励会入り。 09年、四段昇段。18年、第4期叡王戦で初タイトルを獲得。19年、第67期王座戦で王座を獲得し、以後4連覇を果たす。22年、敬愛し練習パートナーでもある藤井聡太に棋聖戦で挑戦し、1勝3敗で惜敗。豊富な練習量を誇り、対局以外のほとんどの日は他の棋士との研究会に充てている。将棋に対する厳しい姿勢から、「軍曹」の異名を持つ。粘り強い棋風の居飛車党で、最近は終盤の切れ味も増している。マンガとアニメ鑑賞が唯一の息抜き。 「最初の10局は自分が圧倒していましたが…」 藤井聡太に永瀬拓矢が挑む棋聖戦五番勝負が2022年6月3日に開幕した。20年5月現在、将棋界には3人のタイトルホルダーがおり、そのうちの藤井と永瀬がタイトル戦で顔を合わせるのは今回が初となる。将棋ファンが待ち望んだ番勝負が、ついに実現することにな

                                                    「藤井さんに敵わないと思うようじゃ覚悟が足らない」八冠制覇への“最後の壁”となる永瀬拓矢王座が掲げる「最終的な目標」とは | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
                                                  • 「一緒にめっちゃ指しました」リアル将棋ラブコメだった及川拓馬、上田初美夫妻の青春時代 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                                                    及川拓馬六段と上田初美女流四段が、「棋士」と「女流棋士」のご夫婦であることは、「観る将ファン」のあいだでも、よく知られたことだろう。 ファンにとってお馴染みのお二人には、現在3歳と1歳の娘さんがいる。上田さんが育児の様子をツイッターなどで発信して、及川さんも原稿のなかで娘さんたちについて触れていることもあって、その子育てぶりにも関心を持つ人も少なくないだろう。 そこで今回のインタビューでは夫婦揃ってご登場いただき、その馴れ初めから棋士夫婦の日常、将棋や子供たちへの想いなどをお聞きした。 まずは、お二人の出会いから話を進めよう。及川拓馬六段と上田女流四段は、共に師匠が伊藤果八段といういわゆる「同門」である。となると、幼い頃から切磋琢磨するうちに恋が芽生え……という展開を想像してしまうが、どうもそうではないようだ。 ◆ ◆ ◆ 及川 私が小学4年生で師匠の教室に通い出したときに、彼女も同じ教室

                                                      「一緒にめっちゃ指しました」リアル将棋ラブコメだった及川拓馬、上田初美夫妻の青春時代 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
                                                    • 育児疲れで「10年で一番の不調」だった女流棋士の私が復活するまで | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                                                      この度、文春オンラインにて月に1回コラムを載せていただくことになりました。女流棋士の上田初美です。昨年初めより個人でnoteを更新しているのですが、その延長のような内容でいいとのことでお引き受けしました。いつまで続けるという区切りはまだ設定されていないのですが、アクセス数が少なかったら打ち切りとかになるかな?(笑) 何はともあれ緩い感じで更新していくと思いますので、同じく緩くお付き合いいただければ幸いです。どうぞよろしくお願い致します。 さて、初回ですので私自身のことを少し話したいと思います。

                                                        育児疲れで「10年で一番の不調」だった女流棋士の私が復活するまで | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
                                                      • “藤井聡太フィーバー”で逆風 開き直った渡辺明棋聖にある光景を思い出した | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                                                        世間が「自分が負けることを期待している」 将棋の第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負は、第3局を迎えた時点で、挑戦者の藤井聡太七段が2連勝と、初タイトル奪取へ王手をかけていた。藤井にはタイトル獲得の最年少記録更新がかかっていたこともあり、世間のフィーバーは最高潮に達していたといえる。 逆に言えば、タイトル保持者の渡辺明棋聖にとっては厳しい状況だった。単純な星勘定だけではない。世間のほとんどが「自分が負けることを期待している」のだ。そういう空気を当事者が感じないわけがない。 ただ、渡辺は少なくとも過去に2回、世論上で自らが敵役を演じる番勝負を経験している。羽生善治九段が永世七冠達成へ「あと1局」と迫ったとき、その相手が渡辺だった。 最初は2008年の第21期竜王戦七番勝負。挑戦者の羽生がいきなり3連勝、しかも局が進めば進むほど羽生の圧勝度が増していた。誰もが羽生の竜王奪取、それにともなう永世

                                                          “藤井聡太フィーバー”で逆風 開き直った渡辺明棋聖にある光景を思い出した | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
                                                        • 「初見でホームランを打っちゃった」藤井聡太、戴冠への道中で何が起きたのか | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                                                          本稿では、この「藤井聡太のすごさ」を改めて考えてみようと、彼の将棋をデビュー当時から見てきた記者が集まり、その「すごさ」を具体的に語ってもらった。記者が感じる藤井聡太の凄みは、果たしてどのようなものなのだろうか――。さっそく本論に入りたいところだが、その前に、編集部から提案されたひとつのルールについて触れておきたい。 「藤井聡太棋聖の快挙を報じる記事が増えるなか、私たち表現する側も試されているのではと感じています。食レポであれば『おいしい』ということばは使わずに味を表現するのが作法です。藤井棋聖は、デビュー以来数々の記録を打ち立てるたびに『すごい』と言われてきましたが、ことばの重みが薄れてきてしまっているのではないかと。そこで今回は、『すごい』という表現を使わないというルールを設けたいと思います」 突然の提案に「えー!」と不満気な声も上がったが、こういったルール設定で鼎談は始まった。原稿内

                                                            「初見でホームランを打っちゃった」藤井聡太、戴冠への道中で何が起きたのか | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
                                                          • 振り飛車党の鈴木大介九段が「藤井システムだけは使うまい」と決めていた理由 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                                                            対局中も仕事のことで頭がいっぱいだった ――鈴木九段は将棋連盟の理事として多忙な中、最近話題になった麻雀はもちろんのこと、本業の将棋の対局もよく勝っています。 鈴木 現在の将棋の勉強はネット中継を見るぐらいなので、自分でも勝っていて驚いています。考えられるのは、役員になってから現在3年目ですが、前よりも仕事に慣れて、その分だけ余裕が出たことです。これまでの2年は、対局中も仕事のことで頭がいっぱいだったときもありました。 ――一時期は持ち時間をかなり使われていましたが、最近は若手棋士のころのように早指しに戻られていますね。持ち時間が半分残っていることもあります。 鈴木 理事になって1年目は仕事が忙しいので、どの将棋も持ち時間は1時間切れ負けのつもりで勝敗は気にせず指そうと思っていました。昼過ぎに終われば、理事の仕事が午後からできるので。でも、早く対局を終えて、理事の仕事に戻ろうと思っていたら

                                                              振り飛車党の鈴木大介九段が「藤井システムだけは使うまい」と決めていた理由 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
                                                            • 「100万円もってきて」将棋の渡辺明名人が、伊勢丹でファッション指南された20歳のころ | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                                                              一昨年には、同門の中村太地七段と『将棋棋士が最高にオシャレしたらどうなる?』というスペシャル企画で、ファッションブランド・ビームスの服に身を包んで対局したことでも話題になった。 「今日は、あのときのジャケットを着てきました」という中川八段は、おしゃれに関する逸話も多いが、登山家としても知られ、こちらの話題で注目を集めることも少なくない。 この中川大輔八段のインタビューでは、まずはファッションや登山に関するエピソードについて話していただいた。 さっそく『将棋の渡辺くん』(※)に記されている、渡辺明竜王(当時)といっしょに服を買いに行った話からお聞きしよう。 ※渡辺明名人の妻である伊奈めぐみさんが描く棋士の日常を描いたコミックエッセイ。観る将入門に最適と将棋棚でも大人気で、中川八段のエピソードは第1巻に収録されている。 100万のキャッシュを持って、新宿・伊勢丹へ ――『将棋の渡辺くん』に《渡

                                                                「100万円もってきて」将棋の渡辺明名人が、伊勢丹でファッション指南された20歳のころ | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
                                                              • 「藤井竜王を天童に!」3年ぶりの開催、“プロジェクト人間将棋2022”を成功に導いた舞台裏 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                                                                東北に春を告げる一大行事、期待高まる藤井竜王の出演 「実は、あまりいい返事をもらえていないんです。将棋連盟には何度かお願いしているのですが、藤井竜王のスケジュール調整が大変らしく、コロナ禍の状況もあるので、まだはっきりとしたことはわからない感じです」 市長からは庁舎で顔を合わせる度に、交渉の進捗を聞かれていた。これまで将棋連盟と天童市は、タイトル戦の開催や将棋連盟天童支部の普及活動を通して深い関係にある。例年の人間将棋にも、連盟は人気棋士を派遣してきた。だが、藤井聡太竜王の出演に関しては二つ返事とはいかなかった。 村山さんの説明を聞いた山本市長は小さく頷くと、「頑張れよ」と声をかけた。 人間将棋は天童市の代名詞でもある。昭和31年に当時の天童市観光協会が将棋と温泉をPRするために『将棋野試合』として実施したのが始まりだ。毎年その映像はニュースでも流れ、市の知名度アップに大きく貢献してきた。

                                                                  「藤井竜王を天童に!」3年ぶりの開催、“プロジェクト人間将棋2022”を成功に導いた舞台裏 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
                                                                • 「小さい頃から有名人だった」豊島将之竜王・名人は“ホーム”で連敗脱出なるか | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                                                                  「幼いころから将棋を指してきた場所なので」 第5期叡王戦七番勝負は第5局を終えて永瀬拓矢叡王2勝、挑戦者の豊島将之竜王・名人1勝、2持将棋。先に4勝したほうが第5期叡王位に就くので、持将棋がなければ第6局はどちらかが3勝して迎えるはずだ。七番勝負終盤の「第6局」なのに決着局にはなりえない新感覚の対局になった。8月1日の第6局は、第5局と同じく持ち時間は各3時間で、14時に対局が開始される。 8月1日は土曜日。関西将棋会館での対局は叡王戦第6局のみだった それぞれの控室では、ニコニコ生放送による対局直前インタビューが行われた。他のタイトル戦では見られないもので、好評だ。豊島は「体調は悪くないです。睡眠を多く取るようにしています。関西将棋会館でのタイトル戦は初めてですが、幼いころから将棋を指してきた場所なので、普段通り指せると思います。最近は負けが続きましたが、月も替わりましたし自分なりのベス

                                                                    「小さい頃から有名人だった」豊島将之竜王・名人は“ホーム”で連敗脱出なるか | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
                                                                  • 「私も詰将棋を愛しています」山根ことみ女流二段が初のタイトル戦で楽しみにしていること | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                                                                    山根 将棋を仕事にしたいという気持ちは小学生の頃からありました。最初はより強い相手と対局してもっと強くなりたいという気持ちで、奨励会を目指していました。中3で奨励会試験を受けましたが、1次試験(受験者同士で対局)で落ちてしまいました。14歳は奨励会に入るには遅い年齢で、再度受けることは諦め、目標を女流棋士に切り替えました。 ――奨励会試験の合格条件は何度か変更されていて、山根先生が中学選抜で連覇した中1、中2のときは、女子の部で優勝しても1次試験免除になりませんでした(男子の部の優勝は、1次試験免除だった)。山根先生が高1のときに、中学選抜女子の部優勝も1次試験免除になり、その制度を利用して、2次試験(現役の奨励会員と対局し、3局のうち1勝すれば合格)も突破、奨励会に入った女子中学生が複数いました。自分が中学選抜で優勝したときに1次免除になっていれば良かったのにとは思わなかったでしょうか。

                                                                      「私も詰将棋を愛しています」山根ことみ女流二段が初のタイトル戦で楽しみにしていること | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
                                                                    • 藤井聡太は「強い」というよりも「恐ろしい」 豊島将之との激闘で明らかに進化した | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                                                                      豊島将之竜王・叡王と藤井聡太王位・棋聖による「夏の十二番勝負」。当初は藤井のタイトル防衛がかかった王位戦七番勝負としてスタートしたが、藤井が叡王戦での挑戦を決めてダブルタイトル戦が行われることになった。 今回は、「十二番勝負」の後半戦、8月18日の王位戦第4局以降の二人の対局を振り返っていきたい。 8月18~19日・王位戦第4局(豊島先手) 【レジェンドを彷彿させる藤井の指し回し】 豊島は相掛かりを選択し、すぐに角交換した。前例のない形に引きずり込むとともに、藤井得意の自陣角を誘う。互いに自陣角を打ち、豊島が1歩得で小競り合いが終わる。角の働きはほぼ互角なれど、歩得で玉を堅めやすい豊島に対し、藤井は中途半端な歩越し銀が残った。駒組合戦となり、豊島は金銀3枚の菊水矢倉に組んだが、藤井は中住まいのままだ。やや豊島持ちで序盤を終える。 中盤、藤井が先に動いた。あの歩越し銀を相手の銀と交換して、そ

                                                                        藤井聡太は「強い」というよりも「恐ろしい」 豊島将之との激闘で明らかに進化した | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
                                                                      • 棋士デビューが決まった新四段が語った「個性豊かな山崎八段」と「振り飛車の可能性」 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                                                                        今期のリーグ最終日が大きな注目を集めたのは、西山に四段昇段の可能性があったためである。西山四段が実現すれば、史上初の「女性四段誕生」だ。過去、三段リーグを戦った経験のある女性は西山の他に里見香奈女流四冠がいるが、リーグ最終日に昇段の可能性を残したのは今期の西山が初めてである。 三段リーグで3位(次点)を2回取ると、通常とは別枠で昇段 だが、西山は四段昇段を自力でつかみ取れる立場になかった。自身が連勝し14勝4敗でフィニッシュしても、谷合と服部の両名に14勝されると昇段枠の2名に入れない。前期リーグの成績による「頭ハネ」が生じるからである。自身の連勝に加えて、谷合の連敗か服部の1敗という条件が必要だったのだ。 奨励会の棋譜は中継されず、記録にも残らない。西山は振り飛車党で、この大一番でも飛車を振ったようだ ©日本将棋連盟 そして「次点2回によるフリークラス昇段」という規定が、さらに外野をやき

                                                                          棋士デビューが決まった新四段が語った「個性豊かな山崎八段」と「振り飛車の可能性」 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
                                                                        • 女流棋士第一号・蛸島彰子女流六段が語る「奨励会でたった一人の女性だった青春時代」 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                                                                          将棋は男性が指すもの。女が将棋をやっても絶対に強くはなれない。そんな意見がまかり通っていた時代、少年たちに混ざり、将棋盤に向かい続けた少女がいた。 女流棋士の第一人者であり、昨年、最年長勝利などの記録を残して、惜しまれつつ現役を引退した蛸島彰子女流六段である。 道なき道を歩き続け、女流棋士として研鑽を積みつつ、将棋の普及活動にも力を尽くしてきた。将棋界という完全な男性社会の中で、何を思い、何を目指したのか。「女性初」の道のりを尋ねた。(全2回の1回目/#2へ続く) ◆ ◆ ◆ 「女はバカだから将棋をやっても強くなれない」 私が子どもだった頃は、将棋を指す女の子なんて、まずいなくて、何々県にひとりいるらしい、と噂になるような、そんな時代でした(笑)。 私が将棋道場で指していますと、偉い先生がやってきて「女はバカだから将棋をやっても強くなれない。だから、早く違うところに行きなさい」って真剣に言

                                                                            女流棋士第一号・蛸島彰子女流六段が語る「奨励会でたった一人の女性だった青春時代」 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
                                                                          • “藤井キラー”が目撃した、藤井聡太竜王19歳の素顔「悔しがっているのかなと思ったのですが…」 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                                                                            名局賞 名局の絶対条件は、際どい終盤 ――まず、名局賞のアンケート結果は、票数の多い順からこのようになりました。 1位 竜王戦第4局 豊島将之竜王/藤井聡太三冠 2位 棋聖戦第3局 藤井聡太棋聖/渡辺明名人 3位 棋王戦挑戦者決定トーナメント 佐藤康光九段/郷田真隆九段 ――アンケート投票の結果、1位は竜王戦の第4局でした。2位にかなり得票差をつけて大きな支持を集めましたが、この要因はどういったところにあると思われますか。 深浦 まず、今回も多くの方に投票いただきありがとうございました。さて、この竜王戦の第4局ですが、自分はNHKの「激闘!将棋竜王戦ダイジェスト」という番組で解説を担当しており力が入りましたね。みなさんに、いかに藤井さんと豊島さんの考えを伝えようかと必死でした。 ――決してわかりやすい将棋ではない? 深浦 盤面に現れたところもすごいんですが、水面下に読みが凝縮されているんで

                                                                              “藤井キラー”が目撃した、藤井聡太竜王19歳の素顔「悔しがっているのかなと思ったのですが…」 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
                                                                            • 「棋士らしく読みの入った麻雀を打ちたい」麻雀最強位の“勝負強さ”の秘訣とは | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                                                                              鈴木大介九段は年下の棋士との交流も深い。永瀬拓矢二冠が「私の棋士人生は鈴木先生にいただいたものだと思っています」と述べるなど、鈴木九段が後輩棋士に与えている影響は大きい。 また、趣味の麻雀では、サイバーエージェントの藤田晋社長と交流があり、AbemaTVの将棋チャンネル立ち上げにも携わった。最近は麻雀最強戦で優勝する活躍を見せた。ここでは鈴木九段の将棋と麻雀への向き合い方について聞いてみた。 (前後編の後編/前編を読む) 悩んだ時期はありました ――鈴木九段と将棋会館で会うと、いつも詰将棋の専門誌「詰将棋パラダイス」を持っていた時期がありました。かなり熱心に詰将棋を解いていた印象があります。 鈴木 一応、30代の半ばから後半のころに、将棋のことを1日8時間やると義務づけていました。終盤が弱いと勝てないので、タイトルを取るためには詰将棋を解かないといけないと思ってのあがきでした。それでも、結

                                                                                「棋士らしく読みの入った麻雀を打ちたい」麻雀最強位の“勝負強さ”の秘訣とは | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
                                                                              • LPSA設立15周年 中倉宏美女流二段が語る“代表”の仕事「イベントや大会が終わったらゴミ袋も載せて帰りますよ」 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                                                                                17人の女流棋士で日本将棋連盟から独立したLPSA(日本女子プロ将棋協会)が、今年で設立15周年を迎えた。 15年の歴史のうち直近の8年間代表を務めているのが中倉宏美女流二段だ。16歳でデビューした1990年代後半に、将棋界初の「姉妹女流棋士」として注目を集めた人気女流棋士は、今、LPSAを率いて独自の事業に取り組んでいる。 イベントや大会の運営での忙しい日々や、次世代の女の子の育成について聞いてみた。 中倉宏美(なかくら・ひろみ)女流二段 東京都府中市出身。1979年生まれ。堀口弘治七段門下。小学生で女流アマ名人戦準優勝、女流アマ王将戦優勝。1991年、中学入学と同時に女流育成会に入会。1995年、16歳(高校2年生)で女流育成会にて規定の成績を収め女流棋士になる。2007年、LPSA創設時に移籍。2014年からLPSA代表理事を務めている ◆ ◆ ◆ 若い頃はチヤホヤされ、天狗になって

                                                                                  LPSA設立15周年 中倉宏美女流二段が語る“代表”の仕事「イベントや大会が終わったらゴミ袋も載せて帰りますよ」 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン
                                                                                • 23歳でB級1組 スピード昇級の近藤誠也七段が語る「以前はビッグマウスでした」 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン

                                                                                  優勢で時間もあったときにパパッと指してしまった ――昇級と七段昇段おめでとうございます。B級1組への連続昇級は話題になりました。他棋戦に比べて勝率が良いですし、順位戦が得意なのに理由はありますか? 近藤 4期でここまで来られたのは完璧に近いと思っています。一手一手時間を使って考えられるので、持ち時間が長いほうが得意。終盤に時間を残そうと意識して指しています。順位戦は内容の良い将棋が多く、勝った将棋は時間に余裕を持って指せたと思います。 ――9回戦で競争相手の横山泰明七段との直接対決に負けて2敗目。「将棋世界」5月号に掲載された「昇級者喜びの声」では、「この敗戦で昇級を諦めていた」と書いていますね。そのあと2連勝して昇級したわけですが、どう気持ちを立て直したのでしょう? 近藤 横山七段戦は時間の使い方がちぐはぐで、優勢で時間もあったときにパパッと指してしまった。その読みに誤算があって時間を使

                                                                                    23歳でB級1組 スピード昇級の近藤誠也七段が語る「以前はビッグマウスでした」 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン