物質の全ては波物理学の常識では同時に成り立つはずのない2つの性質「粒子」と「波動」が、どちらも成り立ってしまうという問題に対し、最初の光を当てたのが、物理学者としては異例の系譜を持つフランス公爵家出身の貴公子ルイ・ド・ブロイでした。 「アインシュタインの発見は、あらゆる物質粒子、特に電子に拡張されなければならない」ルイ・ド・ブロイの肖像 / Credit:Wikipedia Commons彼はX線を研究する兄モーリスの影響で物理学にはまっていき、兄が公爵家を継ぐために科学の道を諦めたため、その意志を引き継いで物理学者になりました。 ド・ブロイの発想は非常に画期的でした。 彼は光が粒子なのか、波なのかという論争を物理学者たちが繰り広げる中で、次のようなことを考えたのです。 「波であるはずの光が粒子のように振る舞うのだとしたら、原子などの粒子は波のように振る舞うのではないだろうか?」 ド・ブロ