朝日新聞は今回の特集で、女性たちが意思に反して慰安婦にさせられたという強制性に問題の本質があることを明確にした。軍・官憲による暴力的な強制連行がなければ日本政府に責任はないという、国際的に全く通用しない議論がいまだにあることを考えれば、改めて問題の所在を明示したことは意義があった。 過去の報道について、訂正や誤った経緯の検証をしたことも、慰安婦問題を理解する上で重要だ。 吉田清治氏の証言については、朝日新聞をはじめ複数のメディアが取り上げていた。証言の信用性が疑われるようになり、強制連行はうそで、慰安婦問題自体が虚構だという一部の主張を勢いづかせるきっかけの一つにもなった。 証言が虚偽でもこの問題に与える影響はない。今回、関連する記事を訂正したことには賛成するが、問題の研究が進んだ1990年代の早い段階でできなかったかと残念に思う。 慰安婦と女子挺身(ていしん)隊の混同についても同様に、も