九州新幹線長崎ルート(西九州新幹線)が武雄温泉(佐賀県武雄市)―長崎(長崎市)間で開業して2年。佐賀県内の未着工区間(新鳥栖―武雄温泉間)の整備について議論が進展しない。国が推す佐賀駅(佐賀市)を通るルートか、佐賀県側が「一考に値する」と評価する佐賀空港(同)周辺を通るルートかで隔たりは大きく、県側が懸念する財政負担の問題も解決の糸口を見いだせない。全面開通のメドは一向に立たない。 「整備新幹線は事業費の大幅な上振れが常態化している。拙速に議論を進めるような簡単なものではない」。佐賀県議会9月定例会が開会した11日、提出議案の説明に立った山口祥義(よしのり)知事は未着工区間の整備について改めて慎重な姿勢を示した。