新字の「靖」は人名用漢字なので子供の名づけに使えるのですが、旧字の「靖」は子供の名づけに使えません。「靖」は出生届に書いてOKですが、「靖」はダメ。でも実は、旧字の「靖」がOKだった時期もあったのです。 全国連合戸籍事務協議会は昭和25年10月19日の総会で、子供の名づけに使える漢字を、当用漢字以外にも増やしてもらうべく、法務府と文部省に要望することを決めました。当時、全国の戸籍窓口には、当用漢字以外の漢字を使った出生届が数多く提出されており、戸籍担当者たちは、それらの拒否に追われていました。この時、全国連合戸籍事務協議会が要望した54字の中に、旧字の「靖」が含まれていました。 全国連合戸籍事務協議会の要望を受けて、国語審議会は昭和26年5月14日、人名漢字に関する建議を発表しました。この建議は、子供の名づけに使える漢字として、当用漢字以外に新たに92字を追加すべきだ、というもので、この9