ビジネスモデルキャンバスは、ビジネスの構造をビジュアライズする優れたツールだと思う。ベースとなったビジネスモデルオントロジーが、まさにオントロジーとして設計されたことからもわかるように、ビジネスモデルの全体と要素を、要素間の関係性も含めて構造化したモデルとなっている。 ただ、使う上で留意点もある。スタティック(静的)なものとして捉えてしまいがちなのである。 ビジネスモデルを機械論として捉え、自らを設計する主体として捉えてしまうと、ビジネスモデル構築はうまくいかない。これはサッカーに例えれば、ピッチを上空から眺め、しかも時間を止めて選手とボールを動かすようなものである。実際には選手たちは絶えず動き続けているし、視野は上空からではなく、同じピッチ上にある。生命論的な転換が必要になるのである。 その生命論的な転換に活用できる考え方が、システム思考である。システム思考を使ってビジネスをシステムとし