東京メトロの車内は、いまでこそ涼しく冷房されていますが、これが実現したのは20世紀終盤のこと。地下ならではの課題が克服され、ようやく可能になったといいます。かつての地下鉄は、どのように冷房されていたのでしょうか。 トンネル内はやっぱり熱い! 冷房に排熱はつきものです。エアコンの室外機の前を通れば熱風にさらされ、不快な思いをすることでしょう。鉄道やバスなどの車両における冷房も基本的には同じで、車内を冷やす代わりに、熱を排出しています。 1964年、朝ラッシュの日比谷線北千住駅。当時は駅も車両も冷房されていなかった(画像:東京メトロ)。 地下鉄ではどうしているのでしょうか。冷房によって熱をトンネル内に排出すれば、すぐに“灼熱地獄”が完成することは想像に難くないでしょう。しかし夏場に地下鉄を利用しても、列車が熱風とともに駅へ滑り込んでくる、などということはありません。車内冷房による排熱の影響はな
