昨年12月にアフガニスタンで凶弾に倒れた故中村哲医師の功績を後世に伝えようと、新種のタマバエの学名に「Massalongia nakamuratetsui」(マッサロンジア・ナカムラテツイ)と付けられた。和名は「ミズメタマバエ」。佐賀大農学部の徳田誠准教授(昆虫学)らの研究チームが発見、命名した。中村さんは昆虫好きとして知られていた。 【写真】作業現場でカメラを構える中村哲医師 護衛が常に付き添っている=2014年、アフガニスタン 徳田准教授らは2018年8月、佐賀県と長崎県にまたがる多良岳の中腹で、広葉樹のミズメに虫が寄生して一部組織が異常成長する「虫こぶ」を発見。19年春に成虫(体長約2~3ミリ)を調べたところ、従来のタマバエとは交尾器の形状などに違いがあり、新種と結論づけた。 新種報告の論文執筆と学名を検討中に、中村さんの訃報に接する。面識はなかったものの、人道支援活動に共感していた