昨年11月、元ドイツ代表GKロベルト・エンケが病に苦しみ自ら命をたってからちょうど10周忌を迎えた。ブンデスリーガや、ドイツ代表戦の試合前には哀悼の意を表して黙祷が捧げられ、いくつかのメディアではあらためて特集が組まれた。 今では周知の事実になっているが、生前のロベルトがうつ病を患っていたことは彼の死の直後に妻のテレサから明かされた。闘病中は家族と医師だけがその重い事実を抱えていたのだ。 テレサはのちに「うつ病はタブーではない」とすると同時に「スポーツ選手はうつ病を公表する必要はなく、内部でサポートされるべき」とプライバシーは守られるべきだという考えを話している。 また、「SNSによる選手への多大なプレッシャー」についても言及し、過度な期待やバッシングがいかに選手たちを苦しめるかについて理解を求めている。 このドイツ発の話題をどう伝えようかと考えていた矢先、森崎和幸・浩司兄弟の著書『うつ白