【前記事】 古くからある将棋の駒組「矢倉」は終わったの? それともまだ終わってないの? 最近、矢倉だけではなく、横歩取りもあまり見なくなりました。 A図は近年の横歩取りの基本図です。 先手は飛車先の歩を交換した後、2四の飛車を横に一つ移動させるモーションで歩を取る。これが横歩取りです。 将棋は先手の勝率がわずかにいいことは、過去も現在も変わりません。しかし平成の一時期、後手番の勝率が比較的上がったことがありました。それはA図で後手番を持って十分に戦えたからでした。 A図の後、プロの間でよく指されるのは△3三角と上がる形です。古くからある指し方ですが、昭和の時代に内藤國雄九段が採用して脚光を浴びたことから「内藤流」とも呼ばれます。その後は中原誠16世名人、中座真七段らによって後手番の指し方に工夫が加えられていきました。 平成の間、横歩取りの研究もまた飛躍的に進みました。そして現状は、やっぱり