あらすじ(前半):テメェに弔われたって… 何気ない昼のひととき、営業の仕事をする会社員のシイノトモヨはスーツ姿のまま定食屋でひとりラーメンをすすっていました。そのとき、店内にあるテレビから昼のニュースが流れます。 「本日未明、中野区在住の26歳の女性が自宅マンション5階のベランダから転落し、亡くなっているのが発見されました」 シイノは目もあげずにラーメンに夢中でしたが、亡くなった人物の名がニュースで読み上げられると、手を止め、目をあげて固まります。 「イカガワマリコさん、26歳」 店をでて、スマホのLINEでマリコに連絡してほしいとテキストを送るシイノ。けれども既読はつかず、電話をしても呼び出し音が鳴るばかり。茫然と立ち尽くしながら呼吸が早くなるシイノでした。 マリコはシイノのダチです。昔が思い出されます。2人一緒に物件を眺めたこともありました。安いところはないか、家を出たいと気楽にぼやく