正義の世の実現を期待する宗教的世直し運動 千年王国運動とは、主に大衆を中心に、神や天が奇跡を起こし、この世に正義を実現することを求める宗教的世直し運動です。洋の東西、古代から現代まで問わず、世界各地で見られます。 今回は前編後編で、その起源や特徴、そして千年王国運動的特徴を持つ事例を見ていきたいと思います。 1. 千年王国運動とは 千年王国運動の特徴は以下のように整理できます。 圧迫や抑圧を受け不利な立場にある階層が 現在の世界に存在する不満を背景に 集団で祈り、身を清めながら 神や天の到来、奇跡を念じ 全面的かつ究極的な救済の到来を望むこと これらの要素を少し深掘り考察していきます。 圧迫や抑圧を受け不利な立場にある階層 千年王国運動に加わる者は、その多くが農民、都市下層民、未開民族など、支配者に抑圧され物質的・制度的な不満を持つ人たちです。富へのアクセス手段が限られ、教育レベルも高くな