※この記事では、国会図書館デジタルコレクションの画像を適宜加工して使用しています。 ぶんぶくちやがま - 国立国会図書館デジタルコレクション 【原文】 たる所を、ぶんぶくハ「良き慰ミ」と飛んで下り、やがて狐と引き組ミ、難無く生け取り、我が部屋に来たりける折節、友の坊主立《ぼうずたち》、 「是ハ良き物を捕らへ召さつた。いざ、料《りやう》らん」 と俎板《まないた》の上に直しけり。 無惨や狐わ、 「此処《こゝ》こそ一世の命尽く、然《さ》あらバ、此処を逃げん」 と思へど、四足《しそく》を括《くく》られ、逃ぐる事成り難く、空死《そらじ》にをぞしたりける。 それとハ知らず、坊主立、 「いざや彼奴《きやつ》めが生き肝《ゞも》を取らん」 と言ふ。 ふくさいわ、「尻尾《しりを》が望ミ」と言ふ。 思ひ/\に狐一疋を四人の主付《ぬしづ》き、既に危うく見へし時、 「時分は此処よ」 と跳ね起き、知らせの屁を放《ひ》