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大西赤人の検索結果1 - 4 件 / 4件

  • 〔週刊 本の発見〕『お砂糖とスパイスと爆発的な何か−不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門』

    毎木曜掲載・第129回(2019/10/10) フェミニスト批評の知的快感 『お砂糖とスパイスと爆発的な何か−不真面目な批評家によるフェミニスト批評入門』(北村紗衣、書肆侃侃房)/評者:渡辺照子 私なりに批評の定義づけをさせてもらうとすれば、批評とは、何が面白いか、なぜ面白いかを他者にきちっと言語化して伝えるワザだと思う。だから「得も言われぬ味わい」などという表現はきっと許されない。 さらに、表出されたものを通して、それが意味するものを解読する営みだと言ったら少しは批評の役割がわかるかもしれない。特に、本書は「フェミニスト批評」と銘打っている。長い歴史の中で、男性による創作、視点、価値観が普遍的なものだと思われてきた、その限界と偏りが解き明かされる。 男性性は、普遍的なものではなく、これまで欠落させてきた女性の、つまりフェミニズム的な視点が、批評をより豊かにしてくれる、という一貫した姿勢が

    • 〔週刊 本の発見〕ジョージ・オーウェル「ナショナリズムについて」

      毎木曜掲載・第258回(2022/6/16) 思考の歪みはどこからくるのか ジョージ・オーウェル「ナショナリズムについて」『オーウェル評論集』(岩波文庫) 評者:加藤直樹 ロシアによるウクライナ侵攻直後、様々な議論が飛び交ったが、中には首をかしげるような歪んだ論理に立つ主張も少なくなかった。たとえば「ロシアはウクライナに挑発されて、やむにやまれず侵略したのだ」といったものがそれだ。まるでDV夫の言い訳である。しかも、いつもは侵略に先頭で反対していたはずの人がそんなことを言い出すのである。だが、そういう人もロシアの侵攻を「支持している」というわけでもなさそうなのだ。いったいこれは何だろう。 こうした歪みの根底に動いている感情を「ナショナリズム」と呼んだのが、小説『1984』で知られるイギリスの作家ジョージ・オーウェルだ。普通、ナショナリズムという単語は愛国主義、民族主義、国家主義などの意味で

      • 高校国語教科書 出典一覧(現代文)『高等学校 現代文』[改定版]|三省堂「ことばと学びの宇宙」

         三省堂「ことばと学びの宇宙」国語教科書情報 『小学生の国語』 『小学生の書写』 『現代の国語』 『現代の書写』 高等学校国語科教科書 国語教育情報 閉じる 高校国語教科書 出典一覧 現代文 『高等学校 現代文』[改定版] 学習材名 著者・作者 書名 出版社 出版年 随想 「市民」のイメージ 日野啓三 「読売新聞」(1997.9.16夕刊) 随想 カフェの開店準備 小池昌代 屋上への誘惑 岩波書店 2001 小説 山月記 中島敦 中島敦全集第一巻 筑摩書房 1976 小説 ひよこの眼 山田詠美 晩年の子供 講談社 1991 小説 こころ 夏目漱石 漱石全集第六巻 岩波書店 1966 小説 レキシントンの幽霊 村上春樹 雑誌「群像」(1996.10) 講談社 小説 鞄 安部公房 笑う月 新潮社 1975 小説 藤野先生 魯迅/竹内好訳 魯迅文集第二巻 筑摩書房 1983 小説 舞姫 全集第

        • 大西巨人の巨編「神聖喜劇」 家族が資料を寄託し、見えてきた創作過程  |好書好日

          書けない心中の苦しさを吐露したメモ 短編を企図 章題追記の跡 大西の小説第一作は1949年刊、『精神の氷点』。その後、スランプに陥った50年ごろに書いたとみられるメモが見つかった。電気スタンドと一冊の本が描かれた落書きの周りに、妻に宛て「美智子よ/君は眠つているか/生活の重みにおしひしがれようとしながら(中略)負けまい負けまい/いつか必ずこの原稿残に私の心がしぼり出すまことの文字で埋まるだろう」などと走り書きされている。 デビュー作の刊行前から「神聖喜劇」の題名での構想があったことが明らかになった。48年、批評家の荒正人からの手紙に「『神聖喜劇抄』のことは(一回に掲載のこと)は我儘(わがまま)とは思ひません」と言及されている。 実際に『神聖喜劇』の執筆を始めたのは55年。当初は作品の一部を、独立した短編として発表しようと考え、編集者にも見せていたようだ。題名は「最初の小波瀾(はらん)」。同

            大西巨人の巨編「神聖喜劇」 家族が資料を寄託し、見えてきた創作過程  |好書好日
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