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曾国藩の検索結果1 - 3 件 / 3件

  • 菊池秀明『太平天国』(岩波新書) 8点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    2月23 菊池秀明『太平天国』(岩波新書) 8点 カテゴリ:歴史・宗教8点 帯には「人類史上最悪の内戦」との言葉が載っていますが、太平天国の乱による死者は江蘇省だけで2000万人を超えるとも言われ、まさに世界大戦に匹敵するような犠牲者が出ています。また、乱が14年近く続いたのも1つの特徴で、同じく清末の反乱として知られている義和団の乱に比べると、その持続性は段違いです(義和団の乱は1年ちょっと)。 本書はそんな太平天国の乱の始まりから終わりまでをたどるとともに、そこに中国の歴史に繰り返し現れ、現代にも通じている1つのパターンを見出そうとしています。副題は「皇帝なき中国の挫折」となっていますが、単純に太平天国の興亡のドラマを見せるだけではなく、中国の近代や、中国の政治や社会そのものを考えさせるような内容です。 目次は以下の通り。一 神は上帝ただ一つ二 約束の地に向かって三 「地上の天国」の実

    • およそありうべき最善でただひとつの結末——『月球植民地小説』について - 暁命堂雑記

      もう5年以上まえ、まだ大学生だったころに書いた文章がみつかった。卒論の構想すら立っていなかったころだ。いま見返すと、あまりスマートではないし、よくないかたちで「批評」の影響を受けている——率直にいうと毒されている——感じが否めない(もちろん「批評」自体はよいものだ)。とはいえ、最低限ポイントを押さえているようには見えるし、扱っている小説もまあ珍しいものなので、ここに置いておくくらいならよいかと思った。あまりこのブログを見ているひともいないだろうから、いわば公の場に死蔵するといったところだろうか。 *** 空を飛んで旅をする、だって ! あいつは今、鷲をうらやましがっているんだ。でも、そんなことをさせちゃだめだ ! わしはやめさせてみせる。あいつに好きなようにさせておくと、いつか月にむかって飛んでいってしまうぞ! ーージュール・ヴェルヌ『気球に乗って五週間』 ケン・リュウ(劉宇昆)の短編集『

        およそありうべき最善でただひとつの結末——『月球植民地小説』について - 暁命堂雑記
      • 『物語 江南の歴史』/岡本隆司インタビュー

        ――近年、中国の歴史、中国の王朝を描く中公新書の刊行が続き、シリーズとしても人気です。そのなかで、『物語 江南の歴史』は発売して半年が経ち、重版が出て広がりを見せています。帯で「南方からたどる五千年史」と謳われているように、本書は、広大な中国を南方から描き直した通史。岡本先生がナビゲーターを務めたNHK「3か月でマスターする世界史」のように、壮大な歴史のうねりを感じとれる一書です。なぜ、「南」という視座に着目されたのでしょうか。 岡本: おっしゃるように、中国は「広大」ですので、観察理解するには、どこからどのようにみればよいのか、とまどうことが少なくありません。これは研究者・専門家であろうとなかろうと、誰しも感じることです。もちろん「中国の歴史」に限っただけでも、いろんな視点が思いつきますし、有効な方法もたくさんあります。たとえば、中国全体にわたる歴史は当然あるでしょうし、特定の時代・著名

          『物語 江南の歴史』/岡本隆司インタビュー
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