並び順

ブックマーク数

期間指定

  • から
  • まで

1 - 15 件 / 15件

新着順 人気順

海相の検索結果1 - 15 件 / 15件

  • 昭和農業恐慌 | 大正・昭和10000日の追憶

    小作制度と貧農 明治時代となり江戸時代の封建的な制度が次々と改廃されていった。 そんな中、農村においては江戸時代以前から続く小作制度が継続し、半封建的な支配関係が続いていた。 小作制度とは、農民が土地の所有者である地主から農地を借りて耕作する代わりに、年貢として小作料を収めたり、小作料の代わりに農奴のように働いたりする制度である。 小作制度が継続されただけでなく、明治政府は地租改正によって農民の負担を重くした。 その為、土地を手放して小作人に零落する農民が続出し、全耕地の約4割が小作地となり、地主制が確立された。 小作制度の問題点はその小作人の地主への従属関係を築いたところにある。 小作農はあくまで地主と小作人の契約であり、法律上は両者は対等な関係にある。 しかし、労働者であれば条件が合わなければ職場も住む場所すら変えられるが、小作人はその労働が土地に縛られる為に、どうしても特定の地主との

    • 『日本のいちばん長い日』-- 名作と言われるこの映画も、改めて見直してみたら愚かな茶番劇でしかなかった。 - 読む・考える・書く

      半藤一利の原作をほぼ忠実に映画化した、岡本喜八監督の映画『日本のいちばん長い日』(1967年)。日本の降伏に至る最後の数日間、とりわけ8月15日の「玉音放送」までの24時間を、息詰まるような緊張感で描いた名作と評価されている。 以前見たときは確かに私もそう感じたのだが、最近改めて見直してみたところ、もう、この映画はただの茶番劇にしか見えなくなっていた。 脚本や演出が悪いのではない。役者の演技が大根というわけでもない。実際、この映画では、錚々たる名優たちがそれぞれの役を熱演していた。 鈴木貫太郎首相 - 笠智衆 阿南惟幾陸相 - 三船敏郎 米内光政海相 - 山村聡 天皇裕仁 - 松本幸四郎 下村宏情報局総裁 - 志村喬 井田正孝中佐 - 高橋悦史 畑中健二少佐 - 黒沢年男 徳川義寛侍従 - 小林桂樹 ダメだったのは、彼らが演じた人物たちそのものだ。 号泣する男たち この映画では、いい大人の

        『日本のいちばん長い日』-- 名作と言われるこの映画も、改めて見直してみたら愚かな茶番劇でしかなかった。 - 読む・考える・書く
      • 「半年か1年の間は随分暴れてご覧に入れる。然しながら…」山本五十六が忌み嫌った“日独伊三国同盟”締結の裏側 | 文春オンライン

        真珠湾攻撃をはじめとした、太平洋戦争緒戦での作戦立案指揮で活躍した山本五十六。昭和海軍を代表する人物で、彼に関する書籍・映画・評伝は数多く発表されている。一方で山本五十六の軍人としての評価はなおざりにされている状況だという。 そう語るのは軍事史研究者の大木毅氏。ここでは同氏の著書『「太平洋の巨鷲」山本五十六 用兵思想から見た真価』(角川新書)の一部を抜粋。三国同盟締結当時の軍人・山本五十六の考えを、各種資料をもとに紐解いていく。 ◆◆◆ 対米戦争は引き返し不能に 9月7日、ナチス・ドイツの特使ハインリヒ・シュターマーは、東京に到着し、千駄ヶ谷にあった松岡(編集部注:当時の外務大臣)の私邸で、オット駐日大使とともに連日会談を行った。重要なのは、11日に提示されたドイツ案で、その第三項は「右三国〔日独伊〕のうち一国が現在のヨーロッパ戦争または日支紛争に参入していない一国によって攻撃された場合に

          「半年か1年の間は随分暴れてご覧に入れる。然しながら…」山本五十六が忌み嫌った“日独伊三国同盟”締結の裏側 | 文春オンライン
        • GHQ焚書点数第1位の野依秀市が著した軍部批判の書

          野依の本は復刊もされておらず、Amazonではなぜか一冊も販売されていないのだが、日本の古本屋というサイトで二百冊近い彼の著作が販売されている。GHQ焚書は割高な本が多いのだが、野依の著作に関してはたまに手ごろな価格で買えることがある。 今回は最近入手した『軍部を衝く』という本から「五・一五事件の断罪に就いて」という標題の論文の一節を紹介したい。ちなみに、五・一五事件は昭和七年(1932年)に海軍の青年将校が『昭和維新』と称して、犬養首相らを襲撃した事件である。犬養の後任首相は鈴木喜三郎となる予定であったが、陸軍の少壮将校が反発して不穏な情勢となり、海軍穏健派の斎藤実が後継の首相に就任した。また、事件を起こした青年将校に対しては助命嘆願運動が巻き起こり、軽い判決で終わったのだが、野依はそうならないように結審の前にこう述べていた。(論文日付 昭和八年五月十日) ◇国法の尊厳のために憂う 五・

            GHQ焚書点数第1位の野依秀市が著した軍部批判の書
          • チャーチルの行動と名言:処世上有益かな? - 虚虚実実――ウルトラバイバル

            チャーチルの行動と名言:処世上有益かな? サー ウィンストン チャーチルは、ヒトラー率いるナチス・ドイツに勝利を収め、一時の世界平和を演出したことで有名ですが、彼についてもっと知りたくて調べてみました。まずは広辞苑(第6版)より。 チャーチル【Winston Churchill】 イギリスの政治家。初め保守党ついで自由党に入り商相・内相を歴任、第一次大戦時の海相・軍需相、戦後陸相・植民相。のち保守党に復帰して蔵相。金本位制に復帰。第二次大戦には首相として指導力を発揮、連合国の勝利に貢献。戦後再び首相。著「世界の危機」「第二次大戦回顧録」など。ノーベル文学賞。(1874~1965) チャーチル(wiki) より詳しく三省堂「コンサイス外国人名事典」では Sir Winston Leonard Spencer 1874-1965イギリスの政治家。 1)の長男 1895陸軍士官学校卒業後入隊。‘

              チャーチルの行動と名言:処世上有益かな? - 虚虚実実――ウルトラバイバル
            • アメリカ人が記した真珠湾爆撃の記録~~ブレーククラーク『真珠湾』とハワイに関するGHQ焚書

              GHQ焚書の中には外国人が著したものがかなり存在するのだが、当時ハワイにいて日本軍による真珠湾攻撃を目撃したアメリカ人の大学教授・ブレーク・クラークがこの攻撃の有様を記録した本がGHQによって没収処分されている。この本は、戦争たけなわの昭和十八年四月に、海軍大佐・廣瀬彦太により翻訳され刊行されたものである。 何故アメリカ人が書いた本が焚書処分されたのかについて、訳者の廣瀬彦太が冒頭に記した「本書を読む人のために」という短い文章の中に、そのヒントになる部分がある。 …本書の原著者は、日本の真珠湾攻撃に関し、米国指導者が、ことさらに隠蔽せんとし、あるいは触れざらんとし、あるいは欺瞞せんとした諸事実を、無意識的か、また不用意にてか、ことごとく本書において白日の下にさらけ出しているのである。思えば愉快な本が出たものである。 たとえば、真珠湾の損害について、米国はひたかくしにかくさんとしたのであった

                アメリカ人が記した真珠湾爆撃の記録~~ブレーククラーク『真珠湾』とハワイに関するGHQ焚書
              • 佐々木雄一『近代日本外交史』(中公新書) 8点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

                11月17 佐々木雄一『近代日本外交史』(中公新書) 8点 カテゴリ:歴史・宗教8点 ペリー来航から太平洋戦争が終わるまでの近代日本外交史の歩みをたどったもの。著者は以前に同じ中公新書から『陸奥宗光』を出していますが、それとはまたガラッとスタイルが違います。 「あとがき」にも書いてあるように、『陸奥宗光』はぎっしりと情報の詰まった本で、「その感じで「近代日本外交史」をやったら500ページあっても足りないのでは?」と現物を見る前は思っていましたが、本書は本文で215ページほどとコンパクトな形になっています。 そのため、個々の出来事についてはそれほど深く追求せず、外務省を中心とした日本の外交の流れがわかるような形でまとめられています。 ただ、それでも読んでいいくと著者のこだわりが感じられる部分も多く、複数の著者による教科書的なものとは違う一貫した視座もあります。 さらに巻末には詳細な文献案内も

                • 驚愕の「松代大本営地下壕」!天皇御座所に迫る地下世界の謎に迫る!#地下世界 #松代大本営地下壕 - 北穂高岳で味わう至福のひと時

                  天皇が住む「天皇御座所」に予定されていた建物。(2023年10月22日撮影) 長野市松代町にある戦争遺跡、「松代大本営地下壕」(まつしろだいほんえいちかごう)を2023年10月22日、勤め先のOB会19人で見学しました。 目次 ★★★見学の写真★★★ 「松代大本営地下壕」ってなに? 入ったのは「象山地下壕」 中央省庁・NHK・NTTが移転してくる予定だった「象山地下壕」 「大本営陸軍部」の地下壕も外から見た 「天皇御座所」予定の建物へ 天皇御座所は地下壕の中にも造られた ★★★歴史の解説★★★ 「大本営」とは何ですか? 地下壕を掘った目的は「本土決戦」への備えでした 地下壕はだれが掘ったのですか? 住民の強制立ち退きもありました 天皇が乗る「装甲車」も陸軍が準備していた! 宮中でも終戦直前の6月には移転の検討に着手していた! 天皇、松代への移転を7月下旬に決意! 目指したのは「国体護持」で

                    驚愕の「松代大本営地下壕」!天皇御座所に迫る地下世界の謎に迫る!#地下世界 #松代大本営地下壕 - 北穂高岳で味わう至福のひと時
                  • 十河和貴『帝国日本の政党政治構造』 - 西東京日記 IN はてな

                    1924年の加藤高明の護憲三派内閣以降、政友会と憲政会(→民政党)が交互に政権を担当する「憲政の常道」と言われる状況が出現しますが、なぜ、このような体制が要請されたのでしょうか? そして、この政権交代の枠組みを運営したのは誰なのでしょうか?(明治憲法のもとでは議会での多数派が組閣を導くわけではない) また、護憲三派内閣以降の政党内閣の歴史は「政友会の堕落の歴史」のように語られることがあります。 田中義一は鈴木喜三郎などのファッショ的な人物を政友会に取り込んで選挙干渉を行い、対外政策では幣原外交を捨てて対中政策で失敗し、その後の浜口内閣に対しては軍部と結託して統帥権干犯問題を持ち出し、五・一五事件のあとは鈴木喜三郎総裁への西園寺の不信感から政権が回ってこず、天皇機関説問題では右翼と組んで政党内閣を支えた理論にとどめを刺す、こんなイメージもあるのではないかと思います。 なぜ、初の本格的政党内閣

                      十河和貴『帝国日本の政党政治構造』 - 西東京日記 IN はてな
                    • 令和元年夏の敗戦:Strategic Command WWⅡ-War in Europe対戦AARその① 1939年9月〜1940年8月 : 那珂川の背後に国土なし!

                      Strategic Commandシリーズは主に第1次−第2次大戦を舞台としたターン制PCストラテジーゲームのシリーズである。が、日本ではほとんど知名度がなく日本語化もされていない。自分も買うまで全く聞いたことがなかった。 だが、最新作であるWWⅡ-War in Europe-やってみたら、ほかに類を見ないシステムとゲームバランスで面白かった。そのシステムは一言でいえばボードウォーゲームとPCウォーゲームのいいとこどりだ。へクスマップとターン制によるシンプルな進行と歴史再現性の高さはボードウォーゲームから移植、補給判定や部隊生産、海戦、外交といったボードゲームでは煩雑になりすぎる特別ルールの処理はPCに任せて自動化。ボードウォーゲームのコマの扱いやブックキーピングにうんざりした人、どんどん細かく複雑になっていくPCのストラテジーゲームに挫折した人にとってのパラダイスが広がっている。 仲間内

                        令和元年夏の敗戦:Strategic Command WWⅡ-War in Europe対戦AARその① 1939年9月〜1940年8月 : 那珂川の背後に国土なし!
                      • 昭和八年の「キング」十徳 ―諷刺画を添えて― - 書痴の廻廊

                        キング十徳 ○面白い点では天下第一のキング ○楽しみながら修養出来るキング ○世の中のことは何でもわかるキング ○読者のためには努力を惜しまぬキング ○毎號大家の傑作を満載するキング ○いつも新計画で天下を驚かすキング ○どんな人にもよろこばれるキング ○国を良くし家庭を明るくするキング ○創刊以来雑誌界の覇王キング ○どこまでも発展して行くキング 大日本雄弁会講談社発行、「キング」昭和八年五月號附録、『非常時国民大会』冒頭に掲げられている条々だ。 なんと景気のいい、大風呂敷であることか。 どうせ見栄を張るのなら、これぐらいデカデカと張るべきだ。 そして事実「キング」には、これを言う資格があるだろう。なんとなれば「キング」こそ、日本ではじめて出版部数百万を超え、「一番読まれた雑誌」の栄冠を恣にしたレーベルだからだ。 俺たちこそが社会を、国を牽引してやると言わんばかりの気宇壮大さは、真に見習

                          昭和八年の「キング」十徳 ―諷刺画を添えて― - 書痴の廻廊
                        • 原爆投下はハーグ陸戦条約違反 - 日刊  おっさんの人生これから大逆転だぜえ!(日本史+史跡+旅情報)

                          日本は世界唯一の被爆国です。 広島と長崎の2つの都市に原子爆弾を落とされました。 原爆は50万人以上の方々を瞬時に殺戮し 一瞬に都市を破壊し、今も放射能で苦しんでいる方々を 生み出しました。この原爆は国際法違反行為です! (原爆投下当時の国際情勢) 当時の国際関係や国際情勢を見ると欧米諸国を中心とした帝国主義・植民地主義の時代でした。東南アジアでは日本とタイ以外は植民地でしたが、タイは地理的にイギリスとフランスの緩衝地的な意味での独立国であり、決して軍事強国だったから独立を保っていたわけではなかったのです。 (日本も米国も批准していたハーグ陸戦条約) その当時は、非戦闘員の殺傷を目的とした攻撃を禁じるハーグ陸戦条約がありました。戦争だからと言ってむやみやたらと人を殺したり街を破壊したらいけない、「戦争にも守るべきルールがありますよ」ということです。 そのハーグ陸戦条約には米国も日本も批准し

                            原爆投下はハーグ陸戦条約違反 - 日刊  おっさんの人生これから大逆転だぜえ!(日本史+史跡+旅情報)
                          • 大木毅『日独伊三国同盟』(角川新書) 7点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

                            12月22 大木毅『日独伊三国同盟』(角川新書) 7点 カテゴリ:歴史・宗教7点 『独ソ戦』(岩波新書)が話題となった著者が2010年に出した『亡国の本質 日本はなぜ敗戦必至の戦争に突入したのか?』(PHP研究所)を改題し加筆修正したもの。 「なぜ、対米英戦という無謀な戦争に突入したのか?」というのは繰り返されるテーマで、その答えは満州事変に遡ることもありますし、明治国家のあり方にまで遡ることもあります。一方、直前の日米交渉に焦点をあわせる議論もあります。 そんな中で本書が分水嶺として指摘するのが日独伊三国同盟です。日米交渉でもネックになったように、日独伊三国同盟は日本をアメリカが許容できない枢軸側に位置づけるものとなったものであり、日本の外交方針を大きく規定したものでした。 本書は、なぜ日独伊三国同盟が成立し、どのように太平洋戦争の開戦までたどり着いてしまったのかを、大島浩と松岡洋右とい

                            • 現代史を学ぶ際に石油問題を知ることの重要性~~『世界石油史物語』を読む

                              今回紹介するGHQ焚書は、昭和十八年に大文館書店から刊行された、佐藤定勝著『世界石油史物語』という本である。著者の佐藤定勝についてはネットの情報はほとんどなくどのような経歴の人物であるかはよくわからないのだが、著者が戦前に著した本で『太平洋 : 島の解剖』『傷痍軍人更生感話』があり、著者が編集を手掛けた本として『最新満洲帝国大観』『最新ロシア大観』という本がある。(太字はGHQ焚書) 佐藤が編集した二冊の本は、昭和五年から十年にかけて誠文堂新光社が予約者に向けて『世界地理風俗大系』を刊行したところ、満州とロシアに関する分冊については分売を希望する読者が多かったため、昭和十二年に同社から改訂版として発行した経緯にある本のようだが、『世界地理風俗大系』の分冊として当初出版された本の編者には、佐藤ではなく同社の重役であった仲摩照久の名前が出ている。そのことから、佐藤定勝は、当時から世界の地理や歴

                                現代史を学ぶ際に石油問題を知ることの重要性~~『世界石油史物語』を読む
                              • 小山俊樹『五・一五事件』(中公新書) 8点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

                                5月19 小山俊樹『五・一五事件』(中公新書) 8点 カテゴリ:歴史・宗教8点 当時の総理大臣の犬養毅が暗殺され、政党政治の終焉をもたらした五・一五事件。しかし、ネームバリューの割にはそれほど深く取り上げっれることは少ないかもしれません。例えば、松本清張の『昭和史発掘』では、二・二六事件にそうとうなボリュームが割かれている一方(新装版の文庫で5巻)、五・一五事件は1冊の中の1篇のボリュームしかありません。 このように意外と語ることが少ないように見える五・一五事件ですが、本書では、事件の全貌、背景、政党政治が終わったのはなぜか、なぜ被告の刑は軽かったか、被告たちのその後、といった具合に1章ごとに問いに答えるような形で掘り下げていきます。「なぜ、海軍将校が?」という問題や、犬養死去後の後継内閣をめぐる動きなど、改めて勉強になった面も多かったですし、被告たちのその後については初めて知る部分も多く

                                1