2000年代、IT企業家たちがしのぎを削った、インターネット激動の時代。04年にフジテレビを買収しようとして世間を騒がせ、05年には政界進出に失敗したライブドアの元社長・堀江貴文氏が、06年1月に証券取引法違反の疑いで逮捕された「ライブドア事件」の衝撃を色濃く覚えている人も多いだろう。 【写真】「GO TO JAIL」のTシャツ姿で記者の質問に答える堀江氏 ここでは、日本経済新聞編集委員の杉本貴司さんが、ネット革命時代を歩んだ人々の「知られざる」ドラマを紐解いた『 ネット興亡記: ②敗れざる者たち 』(日経ビジネス人文庫)より一部を抜粋。粉飾決算の責任を問われ逮捕される直前の堀江氏の行動とは――。(全2回の1回目/ LINE編を読む ) ◆◆◆ 破滅の足音 年が明けた2006年。堀江は盟友の藤田晋を誘ってラスベガスに旅行に向かった。ともにインターネット産業の黎明期からここまで駆け抜けてきた