大学のキャンパスは、まもなく新入生の初々しい笑顔があふれるころだ。しかしそれとは裏腹に、学費の支払いが大変であるという声が、このところ各所で聞こえてくる。教育にはカネがかかるのだから、誰かがその費用を負担しなければならないのだが。 もしも学生自身が払うべきでないとすると、誰が払うのか。カネの出どころとしては、本人以外には寄付金か税金しかない。「本人の負担を減らせ」というのは「寄付金か税金のどちらかに肩代わりさせろ」と言っているのに等しい。(文:小田切尚登) 寄付金制度の充実が「授業料の高騰」に拍車かけるアメリカ まず寄付金の可能性を考えてみよう。例えばアメリカだと年収2万ドル(約224万円:1ドル=112円として)の人は所得税を払わなくていいが、そういう人でも平均月1万円くらいは寄付をしている。 ましてや高額所得者が多額の寄付をしているのは、日本でも報道されている。日本でもみんながもっと寄