■昭和最大のミステリー「3億円事件」時効直前“特捜本部”が勝負をかけた取調室(下) 11万人の容疑者がリストアップされるも、未解決のまま時効を迎えた「3億円事件」。捜査を主導した鈴木公一・元主任警部は、19歳の少年・佐伯徹(仮名)に着目していた。車やバイクの窃盗を繰り返す不良グループ「立川グループ」のメンバーである彼は、父親が交通機動隊員で白バイに詳しく、さらには“事件直前には現金輸送車襲撃計画を仲間と相談していた”と当時、恋人が証言していた。しかし佐伯少年は、青酸カリを飲み、自死を遂げてしまう。 〈「3億円事件」概要〉 昭和43年12月10日、土砂降りの雨が降る東京都府中市の刑務所裏の路上で、東芝府中工場に勤める従業員のボーナス約3億円が強奪された。白バイ警官に扮した犯人は、現金輸送車を停止させ、「車に爆弾がしかけられているという情報がある」と言うや、車体にもぐりこみ、発煙筒をたいた。驚