金銭的に余裕がなく、外食が出来ない家庭もある、と聞くと、 私は普通の家庭に生まれてよかったなと思っていた。 月に何度も家族で外食をしていたから、平均、もしくは平均以上の暮らしぶりだと本気で思っていた。 社会人になり、少し良いご飯を食べるようになると、 自分が今まで思っていた「外食」は、本物の外食とは違うのだと気付いた。 うちの外食は、一人当たり1000円を超えたら高いと感じてしまうような範囲のもので、 ほとんどいつも、全国展開しているチェーン店だった。 銀座に家族で行ったとき、たくさんのメニューの中から一番安いものを注文する父が悲しかった。 ファミレスで安いものを選ぼうとするのは、普通のことだと思っていたが、 改めて思い出すと、なんだか悲しい。