RubyKaigi 2014の基調講演でまつもとさんが静的型の野望を明かしてから2年半が経った。 その間の進捗は芳しいものとは言えないけれど、それでもまじめな研究として例えば多相型、推論、Ruby が行われている。普通の人は私のこの記事を読むよりもこちらを読んだ方がよいと思う。 じゃあなぜこの記事を書いたかというと、それでも一部の人には得るところがあると思っているからである。この記事の読者の中にはRubyKaigi 2014中に書かれたakrさんの日記で「非常に簡単化した静的解析」の話を読んだ人もいるのではないかと思う。この話をそのまま発展させた場合にどういう迷路に迷い込むのかという点についていくつかの知見を得たものの、これまでそれを書いていなかったのでちゃんと書くことにしたのだ。 さて、nurse/static-check.rbである。 これは大きく分けて3つの部分からなっている。定義さ