はじめに エンジニアの勉強会で、こんな経験はないだろうか。 「〇〇って知ってる?」「最近△△が流行ってて」「□□の記事読んだ?」「✗✗さんって知り合い?」 次から次へと断片的な情報を繰り出してくる人。どの話題も表面的で、深く掘り下げようとすると会話が続かない。 そして、ふと気づく瞬間がある――自分も同じような話し方をしているのではないか、と。 コードは書ける。タスクはこなせる。でも技術的な議論になると、借り物の言葉しか出てこない。 この恐怖を、多くのエンジニアが密かに抱えている(と思っている)。表層的な知識だけで話す「Fake野郎」――そう呼ばれることほど、エンジニアとしての信頼と自信を失う言葉はない。 何者(新潮文庫) 作者:朝井 リョウ新潮社Amazon 現代のエンジニアは、かつてないほど豊富な学習リソースに囲まれている。朝から晩まで技術記事を読み漁り、新しいフレームワークを追いかけ、