【北京=竹内誠一郎】8月8日の北京五輪開会式に向け、北京市気象局は10日、科学的な方法で強制的に雨を降らせ、本番の日に晴天を確保する「人工消雨」のリハーサルを、6、7月の2か月間で行うと発表した。 同局が過去30年間のデータを分析したところ、8月8日の降水確率は約47%。五輪開会式は、半屋根式の国家体育場で大がかりな仕掛けが予定されるが、総合監督の張芸謀氏は「一番心配なのは雨」という。 人工消雨は、ロケット砲や飛行機で、液体窒素などの物質を積んだロケット弾を近づく雨雲に撃ち込み、事前に雨を降らせる仕組み。五輪開会式の数日前に、人工消雨を行い、開会式本番を晴天にする計画だ。昨年、長春で開催した冬季アジア大会では、この手法の応用で雪を降らせて、雪不足を解消している。 人権団体などの抗議行動を受ける聖火リレーに続いて、欧州の首脳らが出席を見合わせている五輪開会式。果たして晴天で迎えられるだろうか