VRブームと「枯れた技術の水平思考」 「枯れた技術の水平思考」という言葉があります。 これは任天堂で「ゲームボーイ」や、時代より早く飛び出しすぎたハード「ヴァーチャルボーイ」を作った、横井軍平の哲学です。コモディティ化した技術や商品を、従来とは違う角度で組み合わせ、新しい商品を生み出すというような意味を持っています。 昨今のVRの流行は、80年代から90年代にかけてゲームに親しんだ30〜40代の人間からすれば「え? なんで今さら?」と思うトピックではないでしょうか。VR=古いもの、として認識しているぼくらの世代は、今起きているVRブームを「枯れた技術の水平思考」というイメージでとらえがちですが、実はまったく違います。 90年代までのVRは、インフラや技術がまだ未熟であったため、そのポテンシャルを十分に発揮できないまま見限られていました。 つまり、枯れるどころか、まだ種の状態だったのです。