軽トラックの荷台を改造した店舗。手前は社協の職員=吉野ケ里町豆田 県内でも、交通手段を持たないお年寄りらが生鮮食品を食べられなくなる「フードデザート(食の砂漠)」が広がっているようだ。大型店の郊外進出や車社会化で、中心市街地の商店が廃業していることが、「買い物難民」の増加を深刻化させている。 県庁そばの佐賀市城内1丁目。買い物帰りの女性(88)が運転手に一礼し、車を降りてきた。手には、夕食用の鮮魚5匹とトイレットペーパー。週に1回程度、3人の手を借りて病院と買い物に行く。まず整形外科へ息子の妻が車で送り、県庁北のスーパーへはタクシー。その後、スーパー近くの亡夫の会社事務所で社員の営業車を待ち、家まで送ってもらう。 いずれも自宅から半径1キロも離れていないが、ひざが悪く、荷物を抱えると歩けない。「この地区で一人暮らしは無理。一人になれば、施設に移るしかない」 この地区には1985年ま